天然木ならではの趣を与えるキャラクター
ノット・ピンノット
ガムストリーク
ホワイトステッチ
材色の濃淡
経年変化
虫が嫌う木
多くの油を含んでいるチークは、保存処理をしなくても防水性に優れています。豊富な油に水分がはじかれると、木を腐らせるバクテリアなどの菌は生育することができません。また、湿気の多い場所を好むシロアリなどの害虫も防ぐことができます。そのため、昔から戸外でもよく使われてきました。何年間も風雨にさらされたチークは、その特徴である赤褐色があせて上品な銀灰色になるのだそう。こうした変化も、愛されてきた理由のひとつかもしれません。
エレファントホール
チークが自生しているのは、インド、ラオス、タイ、ミャンマーの4カ国。このなかで現在もチーク材を生産しているのはミャンマーのみです。 ミャンマーのチーク林ではすぐに伐採するのではなく、まずは根元から50cmくらいの樹皮をはぎとり、栄養を運ぶ導管を切断することで木を枯らす「巻き枯らし」を行います。この方法には2〜3年かかりますが、水に浮かぶようになるというのがメリット。重たいチーク材が、川で運搬できるようになるのです。 丸太を林から川辺まで運ぶのはゾウの役割。ゾウが引く鎖を通すために、チークには丸い穴が開けられます。これは「エレファントホール」と呼ばれ、良質の天然チークのシンボルとなっています。
重要文化財を支える木
食卓でおなじみのインゲン豆は、中国の僧・隠元によって日本にもたらされました。その隠元禅師によって開かれた黄檗山萬福寺というお寺が、京都の宇治にあります。 ほかの寺院と趣を異にする萬福寺の建築様式は、中国の明代末期頃の仏教建築から影響を受けたもの。近世の建築史上とても価値が高いといわれており、境内の主要建物23 棟が国の重要文化財に指定されています。特に本堂にあたる大雄寶殿の主要な柱で使われている建材は日本のスギやヒノキではなく、南アジア・東南アジア原産のチーク。赤色を帯びた木と独特のデザインが相まって、エキゾチックな雰囲気を漂わせています。
クルーザー
木材は濡れると膨張し、乾燥すると縮みます。チークはこの伸縮に耐えることができるため、古くから造船には欠かせない木材でした。甲板に敷かれたチーク材は、年輪の弱い部分から磨耗していきます。すると丈夫な部分が細く盛り上がってくるため、濡れていても滑りにくくなるのだそうです。また、チークに含まれている油分が「木性タール」であるというのも船材に適しているポイント。釘やボルトなど、木材に打ち込まれた鉄の部品が錆びるのを防いでくれます。