天然木ならではの趣を与えるキャラクター
ノット・ピンノット
バークポケット
縞杢
材色の濃淡
経年変化
生命の木
レッドシダーは、「生命の木」を意味する「giant arborvitae」という別名を持っています。冬でも緑の葉をつける常緑樹であり、伐採後も腐りにくいという特性から、そうした呼び名がついたようです。さらに、ネイティブアメリカンの生活の全般を支えていたということも、由来のひとつであったかもしれません。ネイティブアメリカンにとって、レッドシダーはもっとも用途の広い樹木でした。住居やカヌー、トーテムポールといった大きなものから、食器や衣服といった小さなものまで、この木から作っていたといいます。なかには、樹皮を食用とする部族もいたのだそうです。自然と共に生きる人々にとって、レッドシダーは生活のほとんどすべてをまかなうことのできる生命線だったのではないでしょうか。
デッキ材に使える耐久性
長時間濡れたままにしても傷みにくいことから、レッドシダーはデッキ材としてもよく用いられます。木材は赤褐色ですが心材部分だけでも色味にばらつきがあり、ウッドデッキやフローリングにすると独特の味わいに。南国の高級リゾートを思わせる、明るく落ち着いた雰囲気を演出できます。レッドシダーはまた、アコースティックギターのトップ材としてもよく使われているのだそう。軽く柔らかい材質なので音のレスポンスがよく、その色合いのように明るくてあたたかみのある音色を響かせます。
スギなのにヒノキ科
「シダー」というのはスギのことですが、レッドシダーはヒノキ科。「ヒノキチオール」という成分を豊富に含んでいます。 レッドシダーが水に濡れても腐敗しにくいのは、このヒノキチオールのおかげ。さらに「天然の殺菌剤」といわれるツヤ酸も大量に含有しているため、抗菌性・耐久性に非常に優れています。 心材の部分の赤みが強いのも、ヒノキチオールの色素が由来であると考えられているそうです。
寿命
樹齢が1,000年を超えることもあるというレッドシダー。寿命の長さゆえか、この木を暮らしに役立てていたネイティブアメリカンにとってはスピリチュアルな存在でも あったようです。伐採するときには必ず儀式を執り行う部族もあり、儀式をせずに伐れば祟りがあると畏れられていたのだそう。日本でも、樹齢を重ねた木はご神木として祀られています。人間の寿命をはるかに超えて存在し続ける大木は、洋の東西を問わず畏敬の念を抱かせるものなのかもしれません。