天然木ならではの趣を与えるキャラクター
ノット・ピンノット
バークポケット
ミネラルストリーク
胴折(どうおれ)
経年変化
和室造作材
関東と関西では、和室の造作に使われる木材が異なるのをご存知ですか?関東ではスプルース、関西ではヘムロックが主に使われています。ヘムロックが内装材に適している理由として、釘やネジをしっかりとホールドし、シロアリにも強いということがまず挙げられます。さらに、色味と木目に癖がなく、心地よい芳香をもっているため、好んで和室に使われるのでしょう。すり減りにくいことから、和室に限らず階段やドア、窓枠にも向いています。
ニシン
おせち料理に欠かせない食材である数の子は、ニシンの卵。産卵のため沿岸に集まってくるニシンを網で獲り、一匹ずつさばいて取り出します。アラスカ州南東部のネイティブアメリカンもニシンの卵を食用にしますが、日本の数の子とは違い、産み落とされたものを収獲します。そのときに使うのが、ヘムロックの葉枝。これを海に沈めておくと、ニシンが卵を産み付けにやってくるのです。海から引き上げられた卵は、ヘムロックの枝ごと茹でて食べるのだそう。数の子とは一味違う、針葉樹のさわやかな風味がつくのではないでしょうか。
極相林
森の植生は、長い時間をかけて変化していきます。若い森を形成するのは、主として日当たりのいい場所を好む「陽樹」たち。シラカバやアカマツといった成長の速い木が多く、あっという間に生い茂ります。陽樹の葉に日差しを遮られると、地面近くの背の低い木々は光を浴びることができません。ヘムロックは、そうした環境下でも生きられる「陰樹」の仲間。ゆっくりと大きくなりながら、粘り強く生き続けます。やがて、日照不足により陽樹が減少を始めると、森の主役は陰樹にバトンタッチ。ヘムロックなどの陰樹が中心で、植生があまり変化しない「極相林」が形成されます。ヘムロックは樹齢が長く、500年以上生きる木もあるのだそう。陽樹が衰退して極相林になるまでじっくり待ち、最終的には50m以上の高さにまで育つことができるのです。
樹皮
ヘムロックの森に暮らす北米の先住民族は、この木から食 器や釣り具などを作っていました。現在もカナダ・ブリティッシュコロンビア州の山岳地帯に多く住むニスガ族は、春になるとこの木の皮を採取し、土窯で焼いて食用にしていたといいます。あまり知られていませんが、日本にも、ヘムロックと同じマツ科の樹皮を食べる風習が伝わっています。それが、秋田県の伝統菓子である「松皮餅」。こちらはアカマツの樹皮を数日かけて煮込み、大福餅に練り込むのだそうです。