リッケンバッカー325 | フローリング総合研究所
2024.12.10

リッケンバッカー325

ジョン・レノンのトレードマーク

リッケンバッカー325

1931年にアメリカ合衆国で設立された楽器メーカーであるリッケンバッカー社は、1958年に「リッケンバッカー325」というモデルを楽器ショーでデビューさせました。しかし発売当初は、ほとんど売れずに倉庫には常に在庫が残っていたと言われています。ビートルズはデビュー前にドイツのハンブルグで講演活動をおこなっていましたが、その際ジョン・レノンがハンブルグの楽器店で売れ残っていた1958年製「リッケンバッカー325」を入手しました。ジョン・レノンがこのギターを選んだ理由については、当時ジョン・レノンが憧れていたミュージシャン(ジャズギタリスト兼ハーモニカ奏者のトゥーツ・シールマンス)がこのモデルを使っていた、又はたまたま売れ残っていたから等、諸説あります。ビートルズ初期から中期にかけてジョン・レノンのトレードマークにもなったこのギターは、こうして一躍世界中から注目される事になったのです。

リッケンバッカー325の特徴

リッケンバッカー325はセミアコ―スティックタイプでボディは空洞になっています。セミアコ―スティックタイプのエレクトリックギターは一般的なソリッドギター(ボディが詰まっている)に比べて暖かみのある音で、やはり初期のビートルズサウンドには欠かす事が出来ません。ネックはショートスケールタイプで通常のギターより短くなっています。この為ギターソロには不向きだと言われていますが、ジョン・レノンのボーカル中心の演奏スタイルからすると、通常のロングスケールより軽くて取り回しが良いショートスケールの方がメリットがあったのかもしれません。

1964年2月9日、エド・サリバン・ショーに出演(Wikipediaより)
1964年2月9日、エド・サリバン・ショーに出演(Wikipediaより)

最初に使っていた1958年製のリッケンバッカー325は、ボディとネックにアルダー材、指板にはローズウッドが使われています。1964年に出演したアメリカのテレビ番組「エド・サリバン・ショー」【この時の視聴率は60%、このテレビ出演を機に全米でビートルズ旋風が巻き起こりました】以降、ジョン・レノンが使っている1964年製のリッケンバッカー325にはボディ、ネックともにメープル材が使われています。アルダー材はボディ材として使うのは非常にポピュラーですが、強度を要するネック材として使われていたのは非常にレアケースだと言えるでしょう。

ジョン・レノンは、あるインタビューで「最も大事なものは初代のリッケンバッカー325」だと答えています。このギター、2000年~2010年さいたま新都心にあったジョン・レノンミュージアムに展示されていました。私もこの開催期間中にミュージアムに何度も訪れ、このギターを飽きもせず長時間見続けていました。現在このギターをはオノヨーコの手元で大事に保管されています。

ABOUT THIS PAGE

このWebサイトではフローリングの⽊材や作り方のこと、歴史や文化のことなど、様々なアプローチから私たちの日々の研究の成果をお伝えします。