小さいけれど良く響く楽器
ピッコロ(Piccolo)とは
ピッコロは、フルートと同じ形をした木管楽器ですが、そのサイズは小さくフルートのちょうど半分程度です。音域はフルートよりも1オクターブ高く、煌びやかで可愛らしい音色が特徴です。
木管楽器というと木製の楽器だと思いがちですが、木管楽器の定義は「唇を振動さずに音を出す管楽器」だそうです。
そのため楽器の材質は関係なく、金属製のものが多いフルートも木管楽器に分類されるようです。
フルートの仲間であるピッコロも、木製や金属製など、様々な材質で作られています。
金属製と木製の音色の違い
この材質の違いによって楽器の音色も変わってくると言われています。木製は、柔らかな音色と豊かな響きが特徴で、オーケストラの中でも強すぎず調和しやすい音色が得られます。木材にはグラナディラを使用しているピッコロメーカーが多いです。金属製は木製に比べて音色が鋭くなります。また、金属製にはさらに銀、白銅の2種の材質があり、銀製は銀特有の豊かな響き、白銅製は銀製に比べ固めの音色になりますが音抜けの良い響きが特徴です。
因みに、仲間であるフルートも19世紀までは木製が主流でした。ピッコロよりも音域が低いフルートは音が目立ちにくく、オーケストラの中でより大音量で演奏できるように金属製のものが主流になったようです。
木製ピッコロ
フルートは時代と共に金属製が主流となりましたが、もともと高音域で音が目立ちやすいピッコロは、柔らかい音色の木製が現在でも主流です。使用されているグラナディラという木材は、アフリカ原産で心材が黒い硬い木であり、比重が1.2と重い為水にも沈んでしまいます。
楽器を加工する際に、多くの穴を開けたり、キイと呼ばれる金属部品を取り付けたりする為、その衝撃と重さに耐えられる硬い木が使われています。
また、音色や温度・湿度の変化が少ないなどの特徴もある為、非常によく使用されています。材質による音色の違いをぜひ楽しんでみて下さい。
①17世紀の木製フルート
②木製ピッコロ、金属製ピッコロ、フルート。
③グラナディラの断面
[写真協力]②三木楽器株式会社 ①③Wikipediaより