西表島(いりおもてじま)の南東部に注ぐ仲間川の下流域には国内最大規模のマングローブ林が広がっており、「仲間川天然保護区域」として天然記念物に指定されている。その上流域で国内最大と目されるサキシマスオウノキが一般の研究者によって発見されたのは、1952(昭和27)年のこと。以来、マングローブと併せた遊覧船での見学が人気を博し、西表島観光には欠かせない名所となっている。
サキシマスオウノキは、熱帯から亜熱帯にかけて河口付近の湿地帯に生育する常緑高木である。最大の特徴は、地上に出た根が板状となる「板根」。重硬であるため、かつては船の舵として利用されていたという。
国内最大のサキシマスオウノキの場合は板根が10枚ある。大きな主幹から波打つ板根を八方に広げる姿は、華やかな舞台衣装をまとっているかのようだった。その高さは3mにも達し、今でも1年に約1cmずつ上に向かって成長を続けているという。根だけでも人間の身長よりもはるかに巨大なダイナミックさには、ただただ圧倒されるばかりであった。
指定:森の巨人たち百選
所在地:沖縄県八重山郡竹富町字南風見 国有林173林班い小班
樹種:サキシマスオウノキ
樹齢:推定400年
樹高:18m
幹周:34.5m
撮影:2008年
所在地:沖縄県八重山郡竹富町字南風見 国有林173林班い小班
樹種:サキシマスオウノキ
樹齢:推定400年
樹高:18m
幹周:34.5m
撮影:2008年