福岡市の近郊にある宇美町に鎮座する宇美八幡宮には、前掲の「衣掛の森」に加えてもう1本、国指定天然記念物のクスノキが存在している。それが、本殿の右側にある「湯蓋の森」だ。応神天皇がこの地で出産され産湯(うぶゆ)を使われたとき、その上にこの木の枝葉が覆いかぶさっていたので「湯蓋」の名がついたと伝えられている。
樹齢は2,000年を超えると推定されているが、そうは思えない若々しい樹勢で、両手を大空に向かって広げるような姿である。厳しい異形の相である衣掛の森に比べると、より力強く親しみやすい雰囲気があった。衣掛の森も湯蓋の森も、一樹にして「森」の名がつくのにふさわしい威容である。なお、宇美八幡宮の社域には衣掛の森と湯蓋の森以外にも30本以上のクスノキがある。
二樹ほどの大きさはないものの、神社造営前の地名にちなんだ「蚊田(かだ)の森」という名で県の天然記念物に指定されている。
指定:国指定天然記念物
所在地:福岡県糟屋郡宇美町宇美1-1-1 宇美八幡宮境内
樹種:クスノキ
樹齢:推定2,000年
樹高:20m
幹周:15.7m
撮影:2007年
所在地:福岡県糟屋郡宇美町宇美1-1-1 宇美八幡宮境内
樹種:クスノキ
樹齢:推定2,000年
樹高:20m
幹周:15.7m
撮影:2007年