宇美八幡宮・衣掛(きぬかけ)の森 | フローリング総合研究所
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2023.09.08

宇美八幡宮・衣掛(きぬかけ)の森

宇美八幡宮は、福岡市の近郊にある宇美町に鎮座している。主祭神は神功皇后と応神天皇の母子神。記紀には神功皇后が三韓征伐の帰途に産気づき、応神天皇を出産された地とあり、古くから安産と子育てにご利益のある神社として厚く信仰されてきた。「宇美」という地名は、天皇誕生にちなんでいるともいわれている。出産の際、神功皇后はエンジュに取りすがったという伝説もあり、そのタネは今も絶やされず境内に「子安の木」として存在している。しかし、私が目当てとしたのはこのエンジュではなく、約4,300㎡の広大な社域に生い茂るクスノキの大木群であった。なかでも本殿の左手後方に立つ大きな一樹は「衣掛の森」と呼ばれ、国の天然記念物に指定されている。その名前は、神功皇后が産着をかけたことに由来するという。
衣掛の森は樹齢2,000年程度と推定されており、日本でも有数の老木だが、樹勢は今も旺盛で葉を茂らせていた。四方に枝を広げた姿は野獣が天に向かって咆哮しているような迫力があり、なおかつ威厳に満ちている。

指定:国指定天然記念物
所在地:福岡県糟屋郡宇美町宇美1-1-1 宇美八幡宮境内
樹種:クスノキ
樹齢:推定2,000年
樹高:20m
幹周:20m
撮影:2007年
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