広島県・比婆山の山頂付近にはブナの純林が広がっているが、私の目当ては南麓にある「熊野の大トチ」だった。トチノキとしては日本有数の大木である。
トチノキは湿度が高く水はけのいい土地を好むため、山あいで川沿いの低地に自生することが多い。熊野の大トチもその例に漏れず、熊野川の支流である大羽川の渓流沿いで斜面をしっかりと掴むように聳えていた。根元近くから2本の幹に分かれており、大枝を天空いっぱいに広げている。苔むした根元には深さ2mほどもある大きな空洞があった。樹容は美しく、一見の価値がある。
指定:国指定天然記念物
所在地:広島県庄原市西城町熊野630
樹種:トチノキ
樹齢:推定300年
樹高:26m
幹周:11.1m
撮影:2006年
所在地:広島県庄原市西城町熊野630
樹種:トチノキ
樹齢:推定300年
樹高:26m
幹周:11.1m
撮影:2006年