玉置(たまき)神社の神代杉 | フローリング総合研究所
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2021.08.13

玉置(たまき)神社の神代杉

紀伊山地の奥深くに位置する十津川(とつがわ)村。村内には標高1,000mを超える玉置山が聳え、その山頂近くに玉置神社が鎮座している。同社は「熊野三山の奥の院」と称され、古くから修験道の霊場として栄えてきた。
明治時代以降の交通近代化から取り残され、長らく「秘境」といわれてきた十津川村であるが、熊野三山とそこへ至る参詣道が世界遺産に登録されたことでずいぶん道路整備が進んでいる。ドライブも楽にできそうなので、玉置神社境内に点在するという巨杉の群生を見に行こうと思い立った。
期待していた通り山内では見事な巨樹に出会うことができたが、そのなかでも第一に取り上げたいのが「神代杉」だ。樹齢は推定3,000年以上で、巨杉群のなかでも最高齢の老樹である。怪異な樹皮が苔むした巨大な根元から霧に包まれた梢までを包み、荘厳な雰囲気を漂わせていた。訪れたのはちょうどシャクナゲの開花時期にあたり、広大な境内一面に彩りを添えていたのが印象深い。神代杉の神秘性をさらに高める絶景であった。

指定:県指定天然記念物(杉の巨樹群)
所在地:奈良県吉野郡十津川村玉置川1 玉置神社境内
樹種:スギ
樹齢:推定3,000年
樹高:28m
幹周:9m
撮影:2010年
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