加子母(かしも)の杉 | フローリング総合研究所
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2019.03.03

加子母(かしも)の杉

日本有数の林業県である岐阜県の東端に位置し、長野県と境を接する中津川市に加子母という山里がある。四方を山に囲まれているため「陸の孤島」と呼ばれており、どこに行くにも峠を越えなければならない。のどかで平坦な盆地だが、そこにニョッキリ飛び出しているのが「加子母の杉」である。地蔵尊の本堂に接して、本堂を見下ろすように立っていた。太い円形の樹幹とこんもりした枝葉を空いっぱいに茂らせた、「健全木」の見本のような大スギである。1,000年以上の樹齢を数えながらも樹勢は旺盛。樹頂部は雷と風により折れているとのことであるが、それでも30m以上の樹高を保っている立姿は立派なものである。源頼朝の命により、地蔵尊をこの木のそばに安置したといういわれがあるとのこと、諸説あり。太く、丸く、枝下が長いということは銘木的価値が高いということになるが、介護老木の多い「天然記念木」で、支え木の1本もない健常木は極めて珍しい。

指定:国指定天然記念物
所在地:岐阜県中津川市加子母字池ノ森687
樹種:スギ
樹齢:推定1,000年以上
樹高:31m
幹周:13m
撮影:2000年
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