私たちが使用しているフローリングは、樹木が加工されたものです。フローリングの特徴を把握するために、まずは樹木の部位について知っていきましょう。
「根」と「幹」と「樹冠(じゅかん)」
樹木は、図に示すように「根」「幹」「樹冠」と呼ばれる3つの部位から成り立っています。「根」や「幹」はイメージが湧いても、「樹冠」は耳慣れない言葉かもしれませんが、「樹冠」とは樹木の上部で葉が茂っている部分を指します。樹木は、まず「根」から水や養分を取り入れ、「幹」を通ってそれを樹木の全体に行き渡らせ、「樹冠」の葉で光合成に使って、成長のためのエネルギー源を得ています。フローリングに使われている木材は、「幹」の部分にあたります。
「枝」と「節」
光合成をする葉をつけているのは、幹から生えた「枝」です。光合成は木が生きていくためには欠かせないもので、木が大きく成長するために「枝」が必要なのです。「枝」は樹木が成長する過程で幹に取り込まれることがあり、「節」と呼ばれます。
「樹皮」と「木部」と「髄(ずい)」
幹は外側の「樹皮」と内側の「木部」に区分されます。「樹皮」とは、文字通り樹木の表層のことです。「木部」は樹木の成長により同心円状に肥大成長しており、その中心部を「髄」と呼びます。「樹皮」は取れやすく、「髄」は柔らかく割れやすいため、フローリングの材料としては基本的に用いられません。また、幹が成長すると「樹皮」の傷が幹に取り込まれ、特徴的な見た目になることがあります。
フローリングには、樹木の「幹」の中でも心材や辺材を含む「木部」の部分が使われています。また、「幹」には樹木が生きた証である「節」や動物が付けた傷跡(バークポケット等)といった様々な特徴が含まれています。
本物の木を使っているからこそ、今回ご紹介したような特徴が現れます。フローリングとして貼られたとき、樹木の生きた証を探してみるのもひとつの楽しみ方かもしれませんね。