現象|キャスター家具による線状の凹み傷
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移動が便利なキャスター付きの家具ですが、普段の使用方法やお手入れ、キャスターの種類等によってはフローリングを傷つけてしまうことがあります。今回は、キャスターによって付いてしまった「凹み傷」の原因とその予防方法、傷の直し方をご紹介します。
原因
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今回の場合、フローリングに荷重がかかりやすい「ボールキャスター」を、フローリング上で直接使用していたことが原因です。
キャスターにはプラスチック製・鉄製等さまざまな種類がありますが、ボールキャスターは荷重が一点に集中するためフローリングに傷が付きやすいのです。
予防法
キャスター付き家具を使用される際は、下の表を参考に傷の付きにくいものを選びましょう。
《キャスター種類別》傷の付きやすさ | ||
プラスチック製双輪キャスター | ボールキャスター | 鉄製キャスター |
![]() | ![]() | ![]() |
荷重が一点に集中せず、傷が付きにくい。 ただし、使用頻度が高かったり、キャスターに異物が付着している場合、早い段階で傷が発生する可能性も。 直径50mm以上のものを推奨。 | 荷重が一点に集中するため傷が付きやすい。 | 家庭内での使用は少ないが、フローリングの損傷が激しいため使用できない。 |
また表面に傷が付く恐れがあるので、キャスター付き家具をフローリング上で直接使用することは避けましょう。
使用される場合は、
✔チェアマットやカーペットでフローリングを保護する
✔キャスター用受け皿を使用する
等でフローリングを保護すると、傷が付きにくくなります。
キャスター輪の異物によってすり傷ができてしまった事例は、こちらの記事で解説しています。
・キャスター家具による帯状のすり傷
直し方
傷の程度や範囲によって、直し方が変わります。(下図参照)
今回の傷の場合は、傷のついたフローリングのピースを部分的に削って新しいピースを張り付ける、「ピース張り替え」を行いました。専門業者でないと行うことはできませんので、施工会社を通じて専門業者に連絡を取り、補修してもらいましょう。
自分で直せる! | 業者に依頼 | |
傷の程度・範囲 | 『部分的・細かい傷』![]() | 『広範囲・大きな傷』![]() |
補修方法 | ▼ワックスがけを行い、傷を目立ちにくくする | ▼部分的にフローリングを剥がし、新しいものに貼り替える『ピース貼り替え』を行う |
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メリット | ▼ワックス効果で小傷や汚れが付きにくくなる | ▼傷が完全になくなる |
デメリット | ▼部屋全体にワックスがけが必要 ▼定期的にワックスがけが必要 | ▼専門業者でないと行えない |
お家で使うのは心配になってしまうキャスター家具も、選び方や使い方に気をつけることで、フローリングを綺麗に保ちながら使うことができます。ぜひ、ご紹介した方法を参考にしてみてくださいね。