フローリングの毎日のお掃除は掃除機だけ?水拭きやシートは必要?など基本的なお手入れの疑問にお答えします。また、黒ずみやペットの汚れなど種類別に正しい落とし方まで徹底解説。おすすめのアイテムもご紹介します。
基本的なお掃除
一口にフローリングといっても、その種類は様々です。フローリングの掃除方法は、表面に使われている素材や塗料によって変わるので、間違ったお手入れで傷めてしまわないよう、それぞれのフローリングに適したお手入れをすることが大切です。それではまず、基本的なお掃除方法のポイントを一緒に見ていきましょう。
フローリングの種類とお手入れの道具
下の表のように、フローリングの種類によってお掃除に使える道具、洗剤は異なります。特に、フローリングの一番表面にあたる塗装の種類には要注意。お手入れ道具の影響を一番受ける部分なので、よく確認しましょう。
フローリングの種類 | 掃除機 | 乾拭き モップ | 水拭き | 洗剤 | 化学 モップ | スチーム 洗浄機 | ワックス | |
無垢フローリング (オイル塗装) | ● | ● | × | × | × | × | 要 | |
複合 フローリング (ウレタン塗装) | 挽き板 (天然木2mm) | ● | ● | ● | ▲ | ▲ | × | 不要 |
突き板 (天然木0.3mm) | ||||||||
シート |
塗装の種類は、大きく分けて「オイル塗装」と「ウレタン塗装」の2つです。
「オイル塗装」は木の表面に植物性オイルやワックスなどの油分を浸透させた塗装で、無垢フローリングに施されることが多いもの。「自然塗料」と呼ばれることもあります。木質感のある手触りが特長ですが、表面に塗膜がないため水分やクリーナー成分が染み込みやすく、水を使ったお掃除には不向きです。
一方、「ウレタン塗装」は木の表面にUV塗料や樹脂を使用した塗膜を張った塗装で、複合フローリングに施されることが多いです。表面に樹脂による塗膜があるため、水拭きやクリーナーを使ったお掃除が可能で、ワックスがけも必要ないことがほとんど。
ただし、各メーカーによってラインナップや塗装性能は様々なので、まずはご自宅のフローリングが何に当てはまるのか、しっかり把握しましょう。
基本的なお掃除とその頻度
基本的なお掃除は、以下の流れに沿って行いましょう。
フローリングの種類 | 毎日 | 週に1度 | 月に1度 | 年に1度 | |
掃除機・乾拭き | 水拭き | クリーナー掃除 | 再塗装 | ||
無垢フローリング (オイル塗装) | ● | × | × | ● | |
複合 フローリング (ウレタン塗装) | 挽き板 (天然木2mm) | ● | ● | ● | 不要 |
突き板 (天然木0.3mm) | |||||
シート |
1)毎日の掃除は、掃除機やモップ・乾燥シートで(オイル・ウレタン塗装両方)
毎日のお掃除では、フローリング表面に落ちた埃や髪の毛を取り除きます。フローリング表面に小石など硬いものが落ちていた場合、掃除機やモップで引きずるとすり傷が付く恐れがあります。硬いゴミや大きなゴミは、あらかじめ取り除くのがおすすめです。
2)1週間に1度、水拭きで掃除(オイル塗装には不可)
乾拭きで落ちない水垢や汚れは、1週間に1度程度、水拭きで拭き取ります。木材は水分に弱いため、お掃除には固く絞った雑巾を使い、使用後は水気が残らないよう乾拭きをするなど、注意しましょう。
※オイル塗装のフローリングは、水分を吸収して、表面の毛羽立ちや白濁を起こす恐れがあるので、水拭きは極力避けましょう。
3)1ヶ月に1度、床用クリーナーで掃除(オイル塗装には不可)
水拭きでも落ちない油汚れや皮脂汚れは、床用のクリーナーを使って取り除きます。クリーナー成分が床表面に残っていると、木材の成分と反応して黒ずみができる恐れがあるため、クリーナー使用後は、水拭きと乾拭きでクリーナー成分をしっかり拭き取りましょう。
皮脂汚れや油汚れは長期間放置すると埃とくっつきさらに頑固な汚れになってしまいます。1ヶ月に1度程度、もしくは汚れが気になった時にこまめにお掃除しましょう。
※オイル塗装のフローリングは、水分を吸収して、表面の毛羽立ちや白濁を起こす恐れがあるので、水拭きは極力避けましょう。
4)1年に1度、再塗装(ウレタン塗装は不要)
オイル塗装のフローリングは、住んでいるうちに徐々に表面がすり減る為、1年に1度程度、メーカー推奨の塗料で再塗装することをおすすめします。ウレタン塗装のフローリングの表面塗膜は簡単にはすり減らない為、自分で再塗装する必要はありません。
基本的なお掃除 おすすめアイテム
基本的なお掃除には、以下のアイテムがおすすめです。
●フローリングワイパー(オイル・ウレタン塗装両方使えます)
・フローリング表面の埃を取り除く時はドライタイプを使用
・毛足の長いタイプは、フローリングの溝の奥までお掃除するときにおすすめ
※ウェットタイプを使用する時は、使用後に洗剤成分が残らないよう、もし見えて残っている場合は水拭きで拭き取りましょう。
●床用クリーナー(オイル塗装は使えません)
・弱アルカリ性または中性タイプを使用
※アルカリ性洗剤がフローリングに染み込むと、染みになる恐れがあります。クリーナーを使用される際は各商品の使用方法を読み、希釈率等よくご確認ください。
・広範囲のお掃除には、腰や肩への負担が少ないシートタイプもおすすめ
アイテム | メーカー | 商品名 | |
フローリングワイパー | 花王 | クイックルワイパー ドライシート | |
クイックルワイパー もふもふシート | |||
床用クリーナー | リンレイ | オール床クリーナー | |
オール床クリーナーシート | |||
花王 | マイペット |
汚れの種類別、お掃除の方法
基本のお掃除をしていても、どうしても蓄積してしまう汚れはあります。頑固な汚れになってしまった「黒ずみ」や、フローリングの染みの原因となる「ペットの糞尿」のお掃除方法をご紹介します。
※クリーナーを使うため、オイル塗装フローリングには使えません
黒ずみ
フローリングの黒ずみには、以下の原因が考えられます。
✔時間が経った皮脂汚れや油汚れ
✔ペットの糞尿の染み込み
✔アルカリ性洗剤の染み込み etc…
時間が経って頑固になった皮脂汚れや油汚れは、床用クリーナーを使った通常のお手入れでは落とせないことも多いです。その時には、クリーナーを30分程放置してから水拭きする方法をお試しください。
▼参考動画
※汚れの種類によって効果がない場合もあります。
※フローリングの継ぎ目にクリーナーが入らないようご注意ください。
また、ペットの糞尿やアルカリ性洗剤の染み込みによって起こる黒ずみは、「変色(染み)」です。自分で落とすことは難しく、フローリングの張り替えが必要になってくるので、まずは施工会社に相談しましょう。
ペット(犬・猫)の糞尿
ペットの糞尿は、長時間放置してしまうと染みになるため、固く絞った雑巾や床用クリーナーでできるだけ早く拭き取りましょう。
キッチンの油汚れ、食べこぼし
キッチンの油汚れや水垢、食べこぼしも、長時間放置するとベタつきや黒ずみの原因になります。お掃除には、以下の洗剤がおすすめです。
※オイル塗装には使用できません。オイル塗装の床のお手入れには、汚れた部分をサンディングし再塗装する方法をおすすめします。
●油汚れや食べこぼしに
・弱アルカリ性または中性のクリーナー
・アルコール
●水垢に
・クエン酸系のクリーナー
※各クリーナーの使用方法をよく読み、使用後は水拭きでクリーナー成分を拭き取ってください。
一般的に、油汚れなど酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤、水垢などアルカリ性の汚れには酸性の洗剤が効果的です。キッチン周りは特に水や油が飛びやすいため、あらかじめマットを敷いておくこともおすすめですよ。
そのお手入れ、待った!覚えておきたい、組み合わせNG集
フローリングのお手入れには組み合わせにより、避けていただきたいものがいくつかあります。これを覚えておくだけで、大事なフローリングの劣化を防ぐことができます。
その1:
オイル×水・クリーナーは NG!
オイル塗装フローリングの場合は、表面に塗膜がないため水やクリーナー成分が染み込み、シミや変色を起こす恐れがあります。また、水拭きによって水分を含むと、フローリング表面が毛羽立つことがあります。その2:
オイル×化学モップはNG。ウレタンにも要注意
薬品を含んだウェットタイプの化学雑巾や化学モップは、オイル塗装のフローリングには使用できません。ウレタン塗装のフローリングに使用する際も、水濡れ箇所やワックスがけの前後には使用しないで下さい。また、長時間フローリングの上に放置すると、薬品成分によって変色を起こしますので、ご注意下さい。その3:
フローリング×スチーム洗浄機はNG!
熱や水分によって、フローリングに突き上げ、膨れ、ヒビワレ、カビ、変色。白濁などを生じる恐れがあります。使用はご遠慮ください。