さまざまな暮らしが見えてくる 木の床の上の豊かな時間 | フローリング総合研究所
2024.10.07

さまざまな暮らしが見えてくる 木の床の上の豊かな時間

ニュルンベルク近郊にある住宅。広告会社の社長一家が住んでいます。ご主人は南ドイツアルペン地方の建築が好みで、木材をふんだんに使用したいと希望されていたそうです。一方、北ドイツ出身の奥様は、モダンな家を望まれており、お二人の望みであるアルペンとモダンスタイルを融合した建築になっていました。

建築そのものはバウハウスの理念を取り入れたボックス形を組み合わせた躯体。エントランスを入っていくと、ご主人がビジネス、プライベートともにゲスト用のサロンとして使用する部屋がありました。床だけでなく、天井と壁にもヨーロッパのオークが一面に張られた心地よい空間でした。

  • 壁に飾られた鹿のスカルヘッドが、山小屋のムードを高めています。

  • 長さが2~5メートル、幅は158ミリから320ミリまで5段階の幅をランダムに組み合わせた乱尺張り。

  • バウハウスの理念を取り入れたモダンな外観。

  • テラスにも全面に木の床は貼られていました。屋外の灰色化する木材の経年変化が、建築を味わい深いものにしています。

2階は家族のプライベート空間となっており、同じくオークのフローリングが、廊下、リビング、ダイニングキッチン、子供部屋など、120平方メートルの大面積を見切りなしで張り込まれていました。設計士が床張りのマイスターとともに考えたそうで、長さが2~5メートル、幅は158ミリから320ミリまで5段階の幅をランダムに組み合わせた乱尺張りで、まさに床が部屋のグレード感を高めているように感じました。

  • パノラマのある広々とした2Fのダイニングキッチン。このダイニングからリビング、廊下までフロア全体に見切りを入れず床材を連続して張るには、大変な技術が必要です。

  • バスタブのすぐ横までフローリングが貼られていました。

日本と同様にものづくり大国であるドイツでは、高い技術力を持つスペシャリストを育成するプログラム「マイスター制度」が確立されています。今回は、そんなドイツならではの、建築家とマイスターの協働による素晴らしく魅力的な住宅を拝見させていただきました。

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