Vol.5【家具選びのポイント】内装カラーやお部屋サイズに合わせたコーディネートを | フローリング総合研究所
2020.01.09

家具選びのポイント

 

住まい空間の器となる内装が決まった後は、実際に暮らしを支えるための家具選び。家具は暮らしの「時間価値」を左右する、と言っても過言ではありません。インテリアにおける「見た目」と「使い勝手」、両面からの視点がポイントになります。

見た目からの視点

インテリアとして心地よく、バランス良い空間にまとめるためにはサイズ感とカラーコーディネートへの配慮が重要です。

①サイズ感

日本の住宅の一般的な天井高さは2500㎜程度。実際の住まいがそれ以上かそれ以下かによって家具の選び方も異なります。
家具配置は平面図だけで考えがちですが、意外と忘れがちなのが高さのチェック。座り心地重視で選んだハイバックソファを実際に部屋の中に入れてみたら、、大きすぎてびっくり。天井の高いショールームと部屋での印象が違いすぎた!なんてことにならないよう、高さも必ずチェックします。
一般的な天井高さより低い空間なら、ソファも座面、背面とも低めのタイプを選ぶと圧迫感がなくバランスよくまとまります。

圧迫感のない低めのソファ

圧迫感のないソファ
アルフレックスERA(画像協力:アルフレックスジャパン)

②カラーコーディネート

家具と内装のコーディネート、一番のチェックポイントは、フローリングとの相性です。
例えば木質のダイニングテーブルなら、木質の色がフローリングと同化するのか、対比するのかによってインテリアの印象は全く変わってきます。同化なら部屋全体が同系色にまとまります。逆に言うと単調、ともとれるのですが、もし他にインパクトのあるアートがあるような場合は、空間全体がアートを引き立てる存在となりおすすめです。家具そのものを目立たせたい場合は、対比のカラーコーディネートを選んでください。

アートを引き立たせた空間

アートを引き立たせた空間
A-mode MD-111ソファ(画像協力:エーディコア・ディバイズ)

  • 同化
    同化
  • 対比
    対比

使い勝手からの視点

家具は毎日の暮らしを支える道具です。その良し悪し、自分自身との相性次第で、暮らしの質を左右します。

①選び方の優先順位

使い勝手に重きを置くなら、椅子やソファなど、カラダを委ねる家具は優先的にこだわることをおすすめします。
サイズ感がきちんとカラダにフィットしているかどうか、必ず実際に確かめて選ぶことが重要です。デザインが素敵でも、座った時に脚が床につかなかったり、テーブルと座面の高さの差(差尺)が適正でないために姿勢が悪くなっては、健康面での影響も心配です。実際、前かがみの姿勢は頭痛の原因になることもわかっています。
またカラダを委ねる家具は、中身の構造がとても重要。見た目に同じように見えても価格が違う。このような場合は、中身の構造に違いがある場合が多いです。確かめる方法は、中身の構造についてメーカーの方に質問したとき、熱い答えが返ってくるかどうか。アナログな方法ですが、確かな方法です。
しっかりした造りの家具は、長い目で見て暮らしの時間価値を高め、日々の健康もサポートします。

カラダにフィットする椅子は、日々の健康をサポートする
カラダにフィットする椅子は、日々の健康をサポートする

※参考【適正な差尺の計算式】
差尺=(身長×0.55)÷3

②コミュニケーションと家具

心理学的な観点から考えると、人と人は正面で向かい合うより、斜めに位置する方がお互いにリラックスした雰囲気で、会話も弾むと言われています。ソファならコーナーカウチを。ダイニングなら楕円か円形を。斜めの関係を作りやすい家具を選ぶことによって、空間での時間も今までと変わるかもしれませんね。

★圧迫感解消のためのワンポイント!

家具はある程度のボリュームがあるため、常に圧迫感との関係が悩みどころだと思います。ソファ、キャビネットなど全ての家具に共通して言えることですが、床面を見せる脚付きモデルを選ぶことで、圧迫感が和らぎます。空間に対し、床面積が広い!と錯覚させる方法です。

脚付きモデルの家具

脚付きモデルの家具

※参考
ちなみに、脚の細い家具を選ばれた場合には、脚裏にフェルトなどの保護材を貼ることお忘れなく。点荷重による床への負担を和らげることで、傷がつきにくくなります。

見た目と使い勝手からの家具選び。
家具は長いお付き合いになるからこそ、選び方へのこだわりが重要です。

菜インテリアスタイリング尾田恵

インテリアデザイナー
尾田 恵 ODA MEGUMI
株式会社 菜インテリアスタイリング/一般社団法人 日本インテリア健康学協会(JIHSA)代表
住宅、福祉施設、TV番組など様々なインテリアコーディネート・デザイン、商品開発、情報発信に携わる。 現在は幅広い活動で培った知識・スキルを活かし、身体と心の健康を目指したインテリア・メソッド「Active Care®」(アクティブ・ケア)を提唱。

●所属
公益社団法人日本インテリアデザイナー協会(JID)正会員

経済産業省 JAPAN DESIGNERS登録
帝京大学大学院公衆衛生学研究科
照明学会会員
日本頭痛学会会員
http://sai-interior.co.jp/
http://jihsa.jp/

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