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朝日ウッドテックで「働く」ということ
設計の視点、開発の視点というよりも
ものづくりの視点で発想するから、強い。
鈴江 晃
常務取締役生産本部長
01
つくり方を、
つくる人
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つくり方を、
つくる人
ものづくりは、商品をつくるために、「つくり方を、つくる」仕事でもあります。新商品を出そうとなれば、工場での「つくり方」を新しく「つくりだす」ことが求められます。いちから仕組みを考えていきます。2012年に設立60周年フェアに新商品を出そうと開発された「ライブナチュラルプレミアム」。挽き板という木材をノコで挽いた板を使った商品は、これまでの突板(板をスライスしたもの)とはちがう生産方法が必要でした。生産本部の鈴江晃は、要となる機械のセレクトにこだわっていました。
「挽き板というのは2mmの厚みがあって天然木の味わいと質感を更に楽しめ、ステージが1つ上がる新商品でした。しかし、なかなか求める品質にみあった機械が見つかりません。設備メーカーにも材料を持ち込んでテストして2年かけて整えました」
鈴江は、新商品の仕様も何も決まっていないところから相談を受け、構想段階から設計や開発部門と相談しながら、まさに「つくれる」ように工場設備と工程を考える毎日だったと振り返ります。
「言葉にすると単純に聞こえますが、うちはこれをやる!と決めたときの団結力はすごく強い。部門ごとに担当はあるけれど、それを超えて良いものをつくりたい!という気持ちが大きいんですよ。だから設計の視点じゃなくて、ものづくりの視点で良いかダメかを判断できるんです。」
02
製造を自動化することも
イノベーションのひとつ
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製造を自動化することも
イノベーションのひとつ
人の手を介した作業が多い製造工程は、職人的センスや技術が独自の企業力になる反面、継承ができなければ安定した経営ができないという危機感も常に抱えています。これからは製造の自動化を進めることも目標のひとつとされています。
「製造業はどこも抱えている課題だと思いますが、自動化するときにも商品の見た目の美しさ、性能や施工のしやすさ、どれも犠牲にしないで満足できるレベルにしようとするのがこだわりであり、うちの強さ。そのうえで顧客が欲しい商品を、欲しいタイミングで出荷できる仕組みをつくることに取り組まねばなりません。」
ミッションは、足場を固めつつ次の段階へ生産を進化させること。生産本部は毎日が未来を見据えた改善の繰り返しです。
「画期的な商品の企画が挙がったときに、どう創り手側として課題をクリアしていくかが面白いところです。チャレンジのしがいがありますよ。」
ものづくりのつくり方を決めていくなかで設備を入れ替えたり、条件を変えたりすると、きちんとした品質のものができるか?ホントに作業はやりやすいのか?見落とせないポイントがいくつかあります。場合によっては商品の設計から見直すことも提案しないといけません。
「ある段階までは、それでつくろうという努力をやる反面、設計を変えることもよしとしないと前に進みませんから。こだわりと、柔軟性の両方が大事です。」
朝日ウッドテックがこれまでに数々の特許や業界初のグッドデザイン賞などを獲得してきた理由には、この柔軟な考えのもと、攻めの姿勢で「つくれるように」してきたことも挙げられるでしょう。
03
木を使い切ってあげたい
という想い
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木を使い切ってあげたい
という想い
森林学科出身の鈴江が、この仕事に就いたのはやはり木に関係した仕事をしたかったから。植林などの分野にも関心を持っていました。それゆえ木の活用に対する思いは人一倍強いところがあります。時々、海外の建材メーカーにも視察に行きますが、海外メーカーの方が木を隅々まで上手く活用していると思うこともあると言います。
「木は限りある資源なのでムダにできないでしょ。いいものを上手くつくってムダな使い方をしない。心の底では、全部使ってあげる、使い切ってあげるという思いを持って仕事に取り組んでいます。」
最後に、新入社員に期待することを聞きました。
「木のものづくりは、非常に奥が深いと思います。いろんな発見がある仕事です。毎日木のことを勉強していても新しい発見があるほどです。しかし、木だけを知っていても新しいものは生まれてきません。たとえば木をくっつける接着材には化学の知見が必要です。木が好きで、ものづくりが好きで、私たちにない視点がある人と働けることを期待しています。」
工場がある忠岡には、見学や視察、説明会などで、ほぼ毎日と言っていいほど訪問客があります。つまり、「つくり方」それ自体が顧客に向けた企業力になっています。そこには、ものづくりのバックヤードを支えるエンジニアの存在が欠かせません。あなたも、ぜひ「つくり方をつくる人」になりませんか。