子どもの離乳食を選ぶように、床も安心・安全なものにしたくて
リビングに入ると真っ直ぐ伸びる板目が、窓いっぱいに広がる緑へと視線を誘います。朝の澄んだ木漏れ日を受けて挽き板の上で揺れる葉影のシルエットを眺めながら、Nさんは言いました。「森のように広がる景観が気に入って建てた家だから、室内も木の質感を感じられるインテリアにしたかったんです。そのために、最初に決めたのが床でした」。面積が広く存在感の大きい床をベースに内装を決めることにしたNさん夫妻。明るくて爽やかな色みと、ハッキリした木目に惚れ込んで選んだのがアッシュ材でした。「床だけは、インテリアのデザインや住み心地に直結するので、予算がかかっても妥協したくない部分。イメージにぴったりの床材を見つけ、抗ウイルス作用があると知り、それが決め手になりました」
初めての子育てをスタートしたばかりの2人が床にこだわったのは、〝子どものための視点〟をもつようになったからだと話します。「離乳食なら無農薬のものを、オモチャなら口に入れても大丈夫なものを選んであげたい。そう考えるようになったので、肌に触れる床を決めるときも、子どもが初めて飲む水を選ぶのと同じ気持ちで安心できるものを選びました」
親としての想いが家づくりにも重なって、N邸は健やかな暮らしを支える住まいになりました。