COLUMN #73
動物医療技術師 石川 美代子
ビション・フリーゼは、ふわふわの毛並みと愛らしい表情が魅力的な小型犬です。まるで綿あめのようで可愛いと人気の高い犬種で、家族に迎えたいと思っている方も多いでしょう。
この記事では、ビション・フリーゼの性格や平均寿命、健康を維持するためのポイントなど、ビション・フリーゼと暮らすうえで知っておきたい知識を解説します。ビション・フリーゼならではのカットや必要なお手入れについても紹介しているため、これからビション・フリーゼを迎えようとしている方はぜひチェックしてみてください。
ビション・フリーゼはとても人懐っこく、家族との絆を大切にする犬種です。どんな相手にも愛想よくふるまうため番犬には不向きですが、そのぶん吠え癖がつきにくいのは家庭犬として大きなメリットといえるでしょう。また個体差はありますが、小さな子どもやほかの動物とも仲良くできる犬が多く、多頭飼いに向いているともいわれています。
一方、寂しがり屋で長時間の留守番が得意ではないため、一人暮らしや共働き家庭の場合、粗相や破壊行動などのトラブルを起こすこともあります。賢くしつけやすいとされる反面、感受性が鋭く環境の変化が苦手なのです。お互いがストレスなく暮らせるよう、留守番時のしつけは子犬の頃から根気強く行い、家族と離れている間もリラックスできる環境作りを心がけることが重要です。
『アニコム 家庭どうぶつ白書2024』によると、ビション・フリーゼの平均寿命は14.0歳です。小型犬のなかでは比較的長生きといえますが、人間と同じく、犬の寿命にも日々の食事や運動量、睡眠の質などさまざまな要素が関係しています。
しっかりとした骨格と筋肉を作るためにも、毎日2回、それぞれ30分程度の散歩をおすすめします。また、避妊・去勢後は肥満になりやすいため、食事やおやつを与えすぎないようにしましょう。
なお、ビション・フリーゼは純血種の犬のなかでは比較的遺伝病が少ない犬種ですが、尿石症や皮膚炎、膝蓋骨脱臼(パテラ)、白内障などの病気には注意が必要です。小型犬にしては骨太でがっしりした体型ではあるものの、高いところからジャンプさせたり滑りやすい床で走らせたりすると、大きなケガにつながる可能性も十分考えられます。
また、ビション・フリーゼは地中海の乾燥した土地が原産で、日本の高温多湿の夏が苦手です。夏場は早朝や深夜など涼しい時間帯に散歩するなど、熱中症にはくれぐれも気をつけましょう。一日を通して気温が高い時期には、ノーズワークや引っ張りっこ遊びで発散させてあげるのがおすすめです。
<参考URL>
https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202412_2_5.pdf
ビション・フリーゼの被毛は、上毛と下毛が密集したダブルコートです。見た目のボリュームに反して抜け毛はそれほど多くありませんが、毛質が柔らかいぶん絡まりやすく、こまめなブラッシングと定期的なカットは欠かせません。長期間放っておくと毛玉ができて痛みが出たり、通気性が悪くなって皮膚病を起こしたりする可能性もあるため、月に1度はトリミングサロンでシャンプーとカットを行い、清潔な状態を維持することが大切です。
ビション・フリーゼには多くのカットスタイルがありますが、特に人気が高いのはテディベアカットやきのこカット、おパンツカットやアフロカットなどです。なかでもアフロカットは「パウダー・パフ」とも呼ばれるビション・フリーゼ特有のカットで、被毛全体を均一にふんわりと仕上げます。
なお、きれいなパウダー・パフを完成させるには、数か月のトリミングでしっかり土台を作る必要があります。手間と時間こそかかりますが、トリミングのプロでなければなかなか作れないスタイルで、きれいに仕上がった姿はとても魅力的です。「ビション・フリーゼならではのカットを楽しみたい」という方は、トリミングサロンで相談してみてはいかがでしょうか。
■ビション・フリーゼと同じく白い被毛で、定期的なカットが必要なマルチーズについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
・マルチーズは人懐っこい?性格や寿命、お手入れの方法は?
<参考URL>
https://petmi.jp/article/bisyon-cat/
ビション・フリーゼは明るく人懐っこい性格で、一緒にいてとても楽しい犬種です。がっしりした体型で命にかかわる遺伝病のリスクが低いところも、この犬種の魅力といえるでしょう。
一方で、関節炎や膝蓋骨脱臼など小型犬に多い足腰のトラブルを起こしやすいため、日頃から多方面に気を配る必要があります。危険な行動をさせないよう注意し、床を滑りにくくする対策を徹底してください。
当社の「Live Natural for Dog」は、小型犬が安全に過ごせるよう配慮した滑りにくいフローリングです。木肌そのものの感触と耐久性を両立するため、表面に特殊な塗装を施しており、天然木ならではの高級感と温かみが感じられます。大切な愛犬の足腰に優しい床材をお探しの方は、ぜひ導入をご検討ください。
石川 美代子
犬の管理栄養士、動物ケアスタッフ、動物医療技術師、犬の美容師(トリマー)。卒業後は動物看護師として動物病院に勤務し看護業務に従事。現在はwebライターとして主にペット関連記事の執筆、ペット用品・記事の監修などを行う。