COLUMN #70
動物医療技術師 石川 美代子
フレンチブルドッグは大きな瞳と愛嬌たっぷりの鼻ぺちゃ顔が好まれ、数ある犬種のなかでも世界的に高い人気を誇っています。しかしその個性的な見た目ゆえ、一緒に暮らす際はいくつか注意しておきたい点もあります。
この記事では、フレンチブルドッグの性格や寿命、必要なケアやしつけのポイントを解説し、よく比較されるパグとの違いも紹介します。フレンチブルドッグとの生活を考えている方はぜひ参考にしてください。
フレンチブルドッグは明るく活発で、楽しいことが大好きな犬種です。小さな子どもにも愛情深く接し、よき遊び相手になってくれるでしょう。
ほかの犬や知らない人に対しても友好的で、初めて会った相手にも穏やかに接します。オスの場合、縄張り意識からやや強気な態度を見せるときもありますが、基本的には落ち着いた気質で、大きなトラブルを起こしたり過剰に吠えたりすることはほとんどありません。
一方で、楽しいときや不満があるときには興奮しやすく、家族への独占欲の強さがうかがえる場面もあります。かまってもらえるまで動かない、納得しないと指示に従わないといった頑固さも持ち合わせているため、しつけは根気強く一貫性をもって行うことが大切です。
子犬の頃から頻繁に外に連れ出し、さまざまな音や匂い、いろいろな人や犬に慣れさせておくと、社会性が身について興奮をコントロールしやすくなります。フレンチブルドッグは褒められて伸びるタイプの犬種なので、しつけの際は大げさなくらい褒めてあげましょう。
『アニコム 家庭どうぶつ白書2024』によると、フレンチブルドッグの平均寿命は11.1歳とやや短命です。呼吸器疾患や皮膚病、関節疾患などのリスクが高いため、こまやかな健康管理が欠かせません。日頃から愛犬の様子をよく観察し、異変があればすぐに動物病院を受診してください。
人気犬種の特徴やかかりやすい病気については、以下の資料をご覧ください。
■フレンチブルドッグの寿命や飼育時のポイントについては、以下の記事もご覧ください。
・フレブルの愛称で知られる”フレンチブルドッグ”。寿命は?足腰に負担は?
・フレンチブルドッグの子犬 鼻ぺちゃ犬で注意すべき5つのポイント
フレンチブルドッグの健康を守るためには、適切なお手入れと環境作りが大切です。鼻ぺちゃ顔の「短頭種」は暑さに弱いため、夏はエアコンで常に快適な温度を保ちましょう。散歩には涼しい時間帯に出かけ、こまめな水分補給を心がけてください。特に暑さが厳しいときには外での運動は短めにして、室内での遊びに切り替えるのがおすすめです。また滑りやすい床は足腰に負担がかかるため、滑りにくくする工夫も重要です。
また、フレンチブルドッグは顔のつくりの関係でよだれが多くなりがちです。放置していると皮膚炎や悪臭の原因にもなるため、ペット用ウェットティッシュなどでこまめに拭き取り、清潔を保ちましょう。見落としがちな皮膚のしわの間や爪、耳のケアも大切です。さらに、床に落ちたよだれは忘れずに拭き取りましょう。
なお、フレンチブルドッグは体質的に肥満になりやすいため、食事管理も大切です。カロリーの高い食品や人間の食べ物を与えるのは避け、食事の量はきちんと管理しましょう。おやつはパッケージに記載されている量を守り、適宜フードの量を調整するなど、全体としてバランスのよい食生活を心がけてください。
フレンチブルドッグとパグは、どちらも短頭種で愛嬌のある顔立ちをしているため、見間違える人もいるかもしれません。しかし体格や顔のパーツ、性格は大きく異なります。
たとえば、フレンチブルドッグは筋肉質でがっしりとした体格ですが、パグは丸みを帯びた可愛らしい体型です。また、フレンチブルドッグがピンと立ったコウモリのような大きな耳であるのに対して、パグは垂れ下がった小さな耳です。尻尾もフレンチブルドッグは短く小さな「スクリューテール」ですが、パグは背中でくるんと巻いた「巻き尾」で全く違います。
さらに、活発で遊び好き、好奇心旺盛なフレンチブルドッグに対して、パグはのんびりした性格でマイペースに過ごす時間を好み、初心者にも飼いやすい犬種といえるでしょう。
このようにフレンチブルドッグとパグは顔立ちこそ似ていますが、よく見ると性質の異なる犬種だとわかります。街で見かけたら、こうした違いを意識しながら観察してみると面白いかもしれません。
フレンチブルドッグは愛嬌たっぷりの姿と陽気な性格で、世界中で愛されています。大切な愛犬の健康を守り、毎日を心地よく過ごすには、暑さ対策や食事管理、よだれの拭き取りなどの日々のこまめなケアが欠かせません。フレンチブルドッグの特性をしっかり理解し、愛犬との暮らしを楽しみましょう。
「LiveNatural for Dog」は、愛犬の足腰に負担がかかりにくい塗装で滑りにくさを実現した美しい天然木のフローリングです。カーペットやマットと異なり、汚れてもサッと拭くだけで清潔を保てるため、フレンチブルドッグのようによだれが多い犬との生活にも安心です。愛犬との暮らしに適したより快適で安全な床材をお探しの方は、ぜひ導入をご検討ください。
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石川 美代子
犬の管理栄養士、動物ケアスタッフ、動物医療技術師、犬の美容師(トリマー)。卒業後は動物看護師として動物病院に勤務し看護業務に従事。現在はwebライターとして主にペット関連記事の執筆、ペット用品・記事の監修などを行う。