COLUMN #65
動物医療技術師 石川 美代子
愛犬との旅行は、素晴らしい思い出ができる特別なイベントです。近年はペットと一緒に泊まれる宿が増えており、ペット専用の設備やアメニティが充実している施設もたくさんあります。ペットとの旅行を心から楽しむには、事前準備や宿泊時のマナーをしっかり理解しておくことが大切です。この記事では、ペットと泊まれる宿の選び方や旅行前の準備、宿泊マナーについて詳しくお伝えします。
ペットと一緒に旅行を楽しむには、適切な宿を選ぶことが重要です。宿を探す際には、主に以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
・ペット同伴可能な宿を探す
ペットと一緒に泊まれる宿を見つけるには、インターネットの旅行サイトで「ペットと泊まれる宿」といったキーワードを使って検索するとよいでしょう。また、口コミサイトやペット向け旅行雑誌の情報も役立ちます。愛犬が客室に入れるか、どの程度自由に過ごせるかも確認しておくと安心です。
・ペットのサイズや種類に応じた宿を選ぶ
小型犬、中型犬、大型犬、超大型犬、猫、小動物など、ペットの種類やサイズはさまざまです。宿によって受け入れ可能な動物の種類や大きさが異なるため、事前にしっかりチェックしておきましょう。
・宿のペットポリシーを確認する
宿泊施設にはそれぞれ独自の「ペットに関する規定」があり、宿泊条件などが定められています。
〈ペットの宿泊条件の例〉
・ヒート中※1でないこと
・感染症にかかっていないこと
・無駄吠えをしないこと
・十分に訓練されていること
・ノミやダニの予防・駆除が行われていること
・1年以内の狂犬病予防接種およびワクチン接種の証明書を提出すること など
※1「ヒート中」とは、女の子のワンちゃんが発情期に入ることを指します。この期間中、ワンちゃんは妊娠の準備をしており、行動や体調に変化が見られることがあります。旅行や大きな環境の変化はストレスになることがあるため、ヒート中はできるだけ避けるのが望ましいです。
必要な持ち物や追加料金についても、ペットに関する規定に記載されています。トラブルを避けるため、念入りに確認しておくことが大切です。
■看板犬と触れ合える宿に興味がある方は、ぜひ以下の記事もチェックしてみてください。
・可愛い看板犬がいるカフェやリゾート5選!保護犬だったコも活躍中
ペットと過ごす上でどうしても気になるのが「床材の滑りにくさへの配慮」です。ここでは、フローリングの課題と一般的な滑り止め対策について解説します。
・滑りやすいフローリングの問題点
フローリングは清潔感があり美観にも優れていますが、犬や猫などのペットにとっては、つるつると滑りやすい床は歩きにくいものです。宿泊先の床が一般的なフローリングだとペットが転倒する危険性があり、場合によっては足をひねったり関節に負担がかかったりすることもあるので、宿選びの際は床材にも注目するとよいでしょう。
・ペットが滑りにくいフローリング
ペットの滑りにくさに配慮したフローリングには、表面に凹凸をつけて摩擦を増やしたり専用の滑り止め加工を施すなど、さまざまな工夫がされています。
広々とした行楽地のホテルに、愛犬が自由に走り回れる滑りにくいフローリング『Live Natural for Dog』を敷設しました。温かな木の温もりに包まれた室内にはすっきりとした清潔感がただよい、汚れやノミ・ダニを気にせずに滞在できます。
・フローリングの滑り止め対策
ペットと一緒に宿泊できる施設のなかには、部屋にラグやカーペット、ペット用マットなどを敷いて滑りにくくし、ペットの安全に配慮しているところもあります。ただし、愛犬がマットとの境目やマットがない場所を歩いているときには、しっかり目配りしておきましょう。
洗練されたラグによって、空間にメリハリが感じられるホテルです。フローリングには犬が滑りにくい『Live Natural for Dog』を使用しており、ラグのない場所でも安全で快適に動き回れます。まるで自宅にいるかのようにゆったりとくつろげる空間で、人もペットも心地よく過ごせるでしょう。
このように、施設によってはペットに優しいフローリングを採用しているところもあります。旅行をめいっぱい楽しむためにも、ペットの足腰を気遣った床材を取り入れている宿泊先を選ぶとよいでしょう。
■犬に適した床材については、以下の記事で詳しく紹介しています。
・ペットと床材の相性は?小型犬に木のフローリングがNGって本当?
ペットが楽しく快適に過ごせるのはどのような宿なのでしょうか。ここでは、宿選びの際に特に注目したいポイントを3つ紹介します。
・散歩コースやペット用施設などの周辺環境
ペットと泊まれる宿の周辺に、散歩に適したコースやペット専用の施設が充実しているかどうかは大きなポイントです。普段とは違う散歩コースは犬にとって刺激的で楽しい体験になり、宿にドッグランが併設されていれば、時間をかけて移動せずに好きなタイミングで遊ばせることができます。
・宿のスタッフの対応
親切で丁寧に対応してくれるスタッフがいる宿なら、ペットを連れた初めての旅行でも安心です。ペットの健康やストレスに配慮しながらさまざまなサービスを提供してもらえると、飼い主としても心強いものです。宿泊先に関するレビューは事前にチェックし、スタッフに対する評価も見ておきましょう。
・ペット用アメニティの充実度
ペットと一緒に宿泊できる施設では、犬用のベッドや食器、消臭スプレー、エチケット袋など、さまざまなペット用アメニティがそろっています。ペットがなるべく自宅と変わらず過ごせるよう、基本的なアイテムは日ごろ使っているものを持参することをおすすめしますが、旅行は新しいものを試すチャンスでもあります。宿を選ぶ際はアメニティの充実度もチェックしておくとよいでしょう。
また、一部の宿では犬専用の食事メニューを提供しているところもあり、旅の特別な思い出になるでしょう。ただし、アレルギーがあったりお腹の調子が気になる場合は、いつも食べているフードを準備しておくと安心です。
いざというときに困らないよう、事前準備は念入りにしておきましょう。ここでは、旅行前の準備と気をつけるべきポイントについて解説します。
・ペットの健康チェックと必要な持ち物
旅行前にはいつも以上に注意深くペットの健康状態を観察し、定期的に飲んでいる薬があれば旅先にも忘れずに持参しましょう。普段から食べ慣れている食事や使い慣れたトイレ用品、リード、ハーネスなども準備しておくようおすすめします。狂犬病予防接種やワクチン接種の証明書類はうっかり忘れてしまいがちなので、特に注意が必要です。
・旅行中のペットのストレス対策
ペットによっては、長時間の移動や初めての環境にストレスを感じることもあります。できれば旅行前に短い距離で移動の練習をして、乗り物に慣れさせておくとよいでしょう。ペットのお気に入りのブランケットやおもちゃを持っていけば、旅先でもリラックスして過ごせます。移動中はこまめに休憩を取り、疲れをためないように心がけてください。
・緊急時の対応準備
旅行中に万が一の事態が起こったときのため、緊急時の対応策を考えておくことも重要です。予期せぬ体調不良やケガに備えて、近隣の動物病院の場所や連絡先を事前に確認しておきましょう。また、旅先で迷子になってしまう可能性を想定し、首輪には迷子札を付けておくと安心です。
ペットとの旅行を思い切り楽しむには、マナーとルールを守ることが大切です。安全で快適な旅ができるよう、以下の2点は必ず押さえておきましょう。
・ほかの宿泊客への配慮
宿泊施設には多くの人がさまざまな目的で訪れ、また旅行中に出会うすべての人が動物好きとは限りません。ペットがむやみに吠えないようにする、ほかの部屋に入らないようにするといった基本的なマナーが求められます。特に共用スペースでは必ずリードをつけ、ほかの宿泊客に十分配慮しましょう。
・宿のルールを守ることの重要性
ペットと一緒に泊まれる宿だからといって、なんでも自由に振る舞っていいというわけではありません。旅行を心から楽しみ素晴らしい思い出をつくるためにも、宿泊先のルールは事前に確認し、しっかり守るよう心がけましょう。
家族の一員であるペットとの旅行は、普段と違った体験ができる特別なイベントです。注意事項やマナーを守ってペットとの素敵な思い出をつくってください。
「Live Natural for Dog」は、犬の安全に配慮し滑りにくさをプラスした美しいフローリングです。天然木ならではの温もりと艶は居心地のよい上質感を演出し、ホテルなどの宿泊施設のみならず、一般のご家庭にも広く導入いただいています。ペットの足腰に配慮した美しいフローリングをお探しなら、ぜひ「Live Natural for Dog」をご検討ください。
石川 美代子
犬の管理栄養士、動物ケアスタッフ、動物医療技術師、犬の美容師(トリマー)。卒業後は動物看護師として動物病院に勤務し看護業務に従事。現在はwebライターとして主にペット関連記事の執筆、ペット用品・記事の監修などを行う。