小柄で愛らしい顔をしたヨークシャーテリアは、テリア種のなかでもとくに人気が高い犬種です。勇敢で気が強い典型的なテリア気質を持つ一方、信頼する人にはとことん甘えるというギャップもヨークシャーテリアの大きな魅力です。この記事では、ヨークシャーテリアの性格や特徴、平均寿命や健康管理について解説します。

ヨークシャーテリアは体高15～23cm、体重2～3kgほどの小型犬で、チワワの次に小さい犬種として知られています。もともとはイギリスの工業地帯で暮らす労働者の間で、家屋を荒らすネズミをとらえる間接狩猟犬として活躍していましたが、その美しい見た目と愛らしい性格から、徐々にペットとして飼育されるようになりました。

ヨークシャーテリアは賢く勇敢、活発で何事にも好奇心旺盛な性格で、愛玩犬として飼育されるようになった今も狩猟犬時代の特性が色濃く残っています。小さな体でありながら負けん気が強くエネルギッシュなので、自分より大きな相手に対してもひるむことなく果敢に挑む傾向があります。

また、自己主張が強い一面もあり、甘やかしすぎたり十分なしつけをしなかったりすると、吠え癖や噛み癖がついてしまう可能性があります。思わぬトラブルを避けるためにも、ヨークシャーテリアのしつけはなるべく早いうちから丁寧におこない、さまざまな音や場所、動物や人などに慣れさせておくことが大切です。

一方で、信頼できる人や家族に対してはとても愛情深く振る舞うのも、ヨークシャーテリアの魅力のひとつです。抱っこなど密度の濃いスキンシップを好み、触れ合いが少ないと気持ちが不安定になってしまう犬も珍しくありません。特にオスは甘えん坊で寂しがりやの傾向があり、常に飼い主にくっついて離れようとしない犬も多いでしょう。

■ヨークシャーテリアをはじめ、人気犬種の特徴については以下の資料でまとめています。

■ヨークシャーテリアのしつけについては、以下の記事をご覧ください。
・ヨークシャーテリアは怖がり？無駄吠えしないためのしつけと飼い方

ヨークシャーテリアは抜け毛が少ないシングルコートの美しい被毛を持ち、「動く宝石」とも呼ばれています。シルクのように柔らかくつややかな被毛は床に届くほど長く伸び、公認カラーであるダークスチールブルー＆タンをはじめ、チョコレートやチョコレート＆タン、ブラック＆タン、ゴールドなどさまざまなバリエーションがあります。

なかには白に近い毛色のヨークシャーテリアもまれにいます。シルバーグレーから真っ白まで色の程度は犬によってさまざまですが、病気や健康状態とは関係なく、時間がたつにつれ暗い色に変化するケースもあります。ヨークシャーテリアを迎える際は、ぜひ毛色の変化も楽しんでみてください。

また、ヨークシャーテリアの被毛を美しく保つには、定期的なお手入れが欠かせません。なるべく毎日ブラッシングして、毛のもつれや汚れを取り除きましょう。特に耳の後ろや脇の下、足の付け根は毛玉ができやすいため重点的にケアしてください。

さらに、シャンプーやカット、爪切りなども1ヵ月に1度を目安におこなうとよいでしょう。被毛を短くカットする「パピーカット」や「サマーカット」は日々のお手入れがしやすく人気があります。

一方、毛を長く伸ばし、足元まで垂らした「フルコート」はヨークシャーテリアの毛並みの美しさが際立つスタイルで、愛犬家なら誰もが憧れるゴージャスさが魅力です。きれいなフルコートを保つには時間も手間もかかりますが、愛犬の魅力を最大限引き出したいという方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

■同じテリア種のノーフォークテリアについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
・ノーフォークテリアの魅力！ダブルコート犬特有の抜け毛とフローリングの関係

『アニコム 家庭どうぶつ白書2023』によると、ヨークシャーテリアの平均寿命は14歳です。個体によっても異なりますが、小型犬のなかでも比較的長寿だといえます。

ただし、ヨークシャーテリアのような小型犬は生まれつき関節が弱い犬が多く、膝蓋骨脱臼（パテラ）や関節炎などのトラブルには注意が必要です。また、気管虚脱や僧帽弁閉鎖不全症、門脈体循環シャントなどは、ヨークシャーテリアの好発疾患として知られています。命にかかわることもあるため、年に1～2度は動物病院で検査を受け、病気の早期発見・早期治療に努めることが大切です。

また、犬の健康寿命に悪影響をおよぼす要因として特に注意したいのが「肥満」です。ヨークシャーテリアは特別太りやすい犬種ではありませんが、おやつの食べすぎや運動不足による体重過多には要注意です。好きなものばかり食べさせるのではなく、栄養バランスの整った食事を適量与えることが愛犬の長生きにつながります。

ヨークシャーテリアは小柄で可愛らしい風貌ながら、もともと狩猟犬だったこともあって気の強さもあわせ持つ犬種です。その一方で、寂しがりやで甘えん坊、心を許した相手には愛情深く振る舞うという一面もあり、一緒に暮らしているとさまざまな表情を見せてくれるでしょう。

ただし、ヨークシャーテリアは骨格が華奢なので、膝蓋骨脱臼や関節炎、骨折などには若いうちから注意が必要です。床にラグやマットを敷くなどの方法もありますが、滑り止め加工が施され美観に優れたフローリングを導入すれば、見た目もスッキリとおしゃれな空間で心置きなく愛犬と戯れることが出来ます。

「Live Natural for Dog」は意匠性に優れた天然木のフローリングで、犬の滑りにくさに配慮して作りました。表面に安全性の高い特殊な塗装を施すことで、肉球のグリップ力を高めています。ヨークシャーテリアのように活発な犬や関節疾患の好発犬種にも適しているため、愛犬の足腰に不安を感じている方はぜひ導入をご検討ください。

■犬と床材を取り巻く問題については、以下の記事で詳しく解説しています。
・ペットと床材の相性は？小型犬に木のフローリングがNGって本当？

■ヨークシャーテリアと同じく関節疾患に注意が必要なジャックラッセルテリアについては、以下の記事をご覧ください。
・ジャックラッセルテリアは活発ゆえにパテラになりやすい？

犬にやさしい、滑りにくさをプラスした天然木フローリング “Live Natural for Dog”

石川 美代子

犬の管理栄養士、動物ケアスタッフ、動物医療技術師、犬の美容師（トリマー）。卒業後は動物看護師として動物病院に勤務し看護業務に従事。現在はwebライターとして主にペット関連記事の執筆、ペット用品・記事の監修などを行う。