COLUMN #55
動物医療技術師 石川 美代子
胴長短足な体型がユニークなミニチュアダックスフンドは、人気犬種ランキングの常連。甘えん坊で常に人のそばにいたがったり、好奇心旺盛で遊び好きだったりと、その魅力もたくさんあり、「家族として迎えたい」と考えている人も多いでしょう。
この記事では、ミニチュアダックスフンドの特徴と性格、毛色やお世話のポイントなど、一緒に暮らす上で知っておきたい基礎知識を解説します。ミニチュアダックスフンドと正しく接する方法を知って、楽しい愛犬との生活を過ごしてくださいね。
ミニチュアダックスフンドは、中世の時代から狩猟犬として活躍してきた犬です。成犬時の大きさはオスが32~37cm、メスは30~35cm程度。平均体重は4.5~5kgほどで、小型犬に分類されます。
性格は基本的に人懐っこく好奇心旺盛。狩猟犬らしい活発な面も持ち合わせていて、遊びや散歩を好みます。一方で家族や縄張りを守る意識が高く、玄関のチャイムや家電の警告音など聞きなれない音には敏感に反応するため、無駄吠えはきちんとしつける必要があるでしょう。
被毛のタイプはロング、スムース、ワイヤーの3種類ですが、どれも胴長短足の体型と長いマズル(鼻口部)、タレ耳が共通。このうち日本でもっとも多く飼育されているのはロングのダックスフンドで、スムース、ワイヤーと続きます。
なお、ミニチュアダックスフンドは、被毛のタイプによって気質が異なります。各ダックスと交配された他犬種の影響によるもので、今も多くの犬に受け継がれています。それぞれの被毛のタイプ別に特徴と性格をまとめると次のようになります。
●ロング
・耳や胸周りに飾り毛があるやわらかな長毛
・スパニエル系の犬との交配で誕生
・性格は穏やかで落ち着いている
●スムース
・光沢があり、まっすぐな短毛
・ミニチュアピンシャーとの交配で誕生
・パワフルで積極的な気質で知られています
●ワイヤー
・眉や口周りに飾り毛があり、剛毛
・テリア系の犬との交配で誕生
・勇敢でやんちゃな気質
■ダックスフンドの種類については、こちらの記事もご覧ください。
・ミニチュアダックスとカニンヘンダックスの違い ダックスフンドの種類とは
ミニチュアダックスフンドは、カラーバリエーションも豊富な犬種です。主なカラーはレッドやイエローなどの単色、あるいはブラックイエロー、ブラックタンやチョコタンなどの2色カラーです。これらはダックスの毛色として長い歴史があり、ショーブリーダーやダックス専門ブリーダーでも扱っているところが多いでしょう。
これ以外には、クリーム、ゴールド、マホガニー、イザベラ、ブラック、ブルーなどのカラーバリエーションがあります。また、ベースの色にトラ模様のような縞が入ったブリンドルや、身体全体に大理石のような斑が入ったダップルなど、近年は珍しいカラーも注目されており、様々なダックスフンドが誕生しています。
なお、これらに加えてワイヤーのダックスフンドには、ワイルドボア(イノシシに似た色)、ドライリーフ(枯葉色)、ウィートン(小麦色)といった特有のカラーがあります。どの毛色も交配相手であるテリア種から受け継いだもので、ロングやスムースにはない独特な色味を持っているのが特徴です。ワイヤーのダックスフンドは比較的珍しいので、もし見かけたらぜひ注目してみてくださいね。
ミニチュアダックスフンドは数ある犬種の中でも、寿命が長いことで知られています。一般的に、犬は身体のサイズが小さいほど長寿な傾向がありますが、ミニチュアダックスフンドは小型犬の中でも特に寿命が長く、15歳を超えて元気な犬も珍しくありません。
アニコム「家庭どうぶつ白書2023」によると、2021年度のミニチュアダックスフンドの平均寿命は14.8歳。ちなみにギネスの最高齢はアメリカのミニチュアダックスフンドが記録した21歳(Chanelちゃん)で、人間に換算すると約100歳というかなりの長寿です。
平均寿命はあくまで目安ではありますが、犬の寿命は食事や生活環境次第でも変わります。犬を長生きさせるためには、良質な食事や質の高い睡眠、適度な運動などが欠かせません。ダックスフンドは太りやすい犬なので、食事の量や体重の管理は徹底すること。体質やライフステージに合った食事を用意して、身体の中から健康をサポートしてあげましょう。
また、ミニチュアダックスフンドは腰に負担がかかりやすい体型をしているため、椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼、関節リウマチなどの疾患には注意が必要です。これらの病気を完全に予防することは難しいですが、関節に配慮した環境を用意すれば発症リスクは下げられます。ジャンプや段差の飛び降りなど、過度な運動は避ける、床の滑り対策をする、足裏の毛はこまめにカットするなど、足腰の負担を少しでも減らしましょう。
■ダックスフンドに多いトラブルについては、以下の記事で詳しく解説しています。
・コーギーやミニチュアダックス など、人気の短足犬に脱臼が多い理由
・カニンヘンダックスの寿命は?短足犬が注意したい椎間板ヘルニアとは
優秀な狩猟犬でありながら、家庭犬としても人気があるミニチュアダックスフンド。吠え癖には注意が必要ですが、好奇心旺盛で人懐っこい性格なので、正しく接すればきっと素敵なパートナーになってくれるでしょう。
ミニチュアダックスフンドと楽しく暮らすためには、身体や性格の特徴、気をつけたい病気、適切なお世話の仕方を知っておくことが大切です。ミニチュアダックスフンドの正しい知識を身につけ、楽しい愛犬との生活を過ごしてくださいね。
「Live Natural for Dog」は美しい天然木のフローリングでありながら、犬の肉球がグリップしやすく滑りにくいという特徴を持っています。そのため、ミニチュアダックスフンドのように活発な犬や関節疾患のリスクが高い犬でも安心して歩けます。「将来の病気リスクに備えたい」「愛犬がストレスなく歩き回れるようにしたい」というオーナー様は、ぜひ導入をご検討ください。
「Live Natural for Dog」のフローリングをご採用のお客様から投稿いただいた可愛い「ミニチュアダックスフンド」の動画を紹介します。
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石川 美代子
犬の管理栄養士、動物ケアスタッフ、動物医療技術師、犬の美容師(トリマー)。卒業後は動物看護師として動物病院に勤務し看護業務に従事。現在はwebライターとして主にペット関連記事の執筆、ペット用品・記事の監修などを行う。