COLUMN #52
動物医療技術師 石川 美代子
くりくりの目と垂れた耳がチャームポイントのマルプー。穏やかな性格や小柄な体、抜け毛の少なさから、ミックス犬のなかでも飼いやすいと人気があります。この記事では、マルプーの性格や寿命、飼うときのポイントについて解説します。マルプーを迎えたいと考えている方は、ぜひ最後までチェックしてください。
マルプーは「マルチーズ」と「プードル」を掛け合わせたミックス犬です。マルプーの成犬の平均体高は20~30cm、平均体重は2~3kgと小さな犬が多く、性別による大きな体格差はありませんが、メスよりオスのほうが少し大きい傾向があります。
外見的な特徴は、両親のどちらに似るかで大きく変わります。トイプードルに似た場合、首や脚はほっそりと長くなりますが、マルチーズに似た場合は全体的に丸くコロンとしたシルエットで生まれることが多いでしょう。顔立ちはどちらも愛嬌があるため、子犬の頃はぬいぐるみと見間違えてしまうほど愛らしい見た目をしています。
なお、マルプーの被毛はトイプードル似の巻き毛かマルチーズ似の直毛、あるいは両方が混じったような緩いウェーブがかかった毛質の3種類に分けられます。いずれもシングルコートで、一年を通して毛が大量に抜け変わることはありません。
毛玉予防のためにこまめなブラッシングは必要ですが、部屋中に毛が舞い散ったり家具や服に大量の抜け毛がつくことはないので、比較的お手入れしやすいといえるでしょう。
また、マルプーの毛色はクリーム、レッド、アプリコットなどバリエーション豊富です。なかには複数のカラーが混じった「パーティーカラー」などもあり、犬によってさまざまな毛色を楽しめるのもマルプーの魅力のひとつといえるでしょう。なお、被毛の色は年齢を重ねるにつれて変化することもありますが、自然な現象なので心配する必要はありません。
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両親の性格や生育環境にもよりますが、基本的なマルプーの性格は明るく温厚です。マルチーズもプードルも甘えん坊な犬種で飼い主が大好きなので、常に人のそばにいたいという犬が多いよう。遊んでいるときは元気いっぱいでやんちゃな一面もあり、一緒に暮らしていて楽しい犬といえるでしょう。
一方で、マルチーズの負けん気やプードルの警戒心の強さを色濃く受け継いだ場合、さまざまなトラブルを引き起こすケースも。見た目の可愛さからつい甘やかして育ててしまうと吠え癖や噛み癖など困った癖がつく可能性があるため、注意が必要です。マルプーはとても賢い犬なので、子犬の頃から「ダメなことはダメ」としっかりしつけ、適切なかかわり方を心がけましょう。
なお、マルプーは小柄な犬なので、広すぎる飼育スペースや長時間の散歩は必要ありません。犬に必要な運動量は体格や犬種、年齢によっても変わりますが、マルプーの散歩時間は1日30分程度、朝晩2回の散歩で必要な運動量はある程度満たすことができます。心身の健康のためにも、適度な運動は必要です。体力が有り余っている若い頃は散歩時間を少し長くしたり、自由に走り回れるドッグランを利用するとよいでしょう。
マルプーの平均寿命は、約12~15歳といわれています。これは小型犬としては平均的な寿命で、長くも短くもありません。マルチーズとトイプードルはどちらも比較的長寿な犬種なので、犬によっては15歳以上長生きするケースも十分考えられます。ただし、マルプーのようなミックス犬はまだ歴史が浅いため、はっきりした寿命は分かっていないのが現状です。マルプーを迎える際は愛犬の体質をしっかり把握したうえで、日々の健康管理に努めましょう。
なお、マルプーがかかりやすい病気としては「膝蓋骨脱臼(パテラ)」「関節炎」「骨折」などの骨・関節疾患をはじめ、「外耳炎」「皮膚炎」「鼻涙管閉塞」などが挙げられます。なかでも注意したいのは、小型犬が多く発症するといわれる「膝蓋骨脱臼」でしょう。
マルプーはもともと華奢な体格であるため、遺伝的に膝関節がゆるい犬が多いといわれています。そのため、ちょっとしたことで関節が外れやすく、歩行障害を引き起こしやすいといわれています。
膝関節への負担を避けるには「滑らないよう床にマットを敷く」「爪や足裏の毛はこまめにカットする」「高いところからジャンプさせない」など、なるべく足腰に負担がかからない生活を心がけましょう。日頃から足腰にやさしい環境に整えるために、床材を滑りにくい素材に変更するのも効果的です。もし、いつもと様子が違うと感じたら、なるべく早く動物病院で相談し、適切な対処を受けることをおすすめします。
マルチーズとトイプードルから生まれたマルプーは、穏やかな性格と小柄な体格から「初心者でも飼いやすい犬」といわれています。こまめなブラッシングこそ必要ですが、抜け毛が少ないぶん掃除の手間は少なく、体臭もほとんど気になりません。散歩時間もそれほど長くないので、比較的扱いやすい犬といえるでしょう。
一方、マルプーはその華奢さゆえ、骨や関節疾患のリスクは高めです。日頃からなるべく足腰に負担をかけないよう注意して、思わぬ病気やケガを防ぎましょう。
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石川 美代子
犬の管理栄養士、動物ケアスタッフ、動物医療技術師、犬の美容師(トリマー)。卒業後は動物看護師として動物病院に勤務し看護業務に従事。現在はwebライターとして主にペット関連記事の執筆、ペット用品・記事の監修などを行う。