COLUMN #48
動物医療技術師 石川 美代子
パワフルで好奇心旺盛な小型犬といえば、何といってもジャックラッセルテリアでしょう。ジャックラッセルテリアは優れた運動神経と知性の持ち主で、さまざまな映画やドラマ、アニメなどにも登場します。この記事ではジャックラッセルテリアの特徴や性格、平均寿命、一緒に暮らす上で注意すべきポイントを解説します。ジャックラッセルテリアを迎えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ジャックラッセルテリアは体高23~30cm、体重4~6kgほどの小型犬です。もとはきつね狩りの目的で作出され、力強く筋肉質な体つきが特徴です。
森のなかでもよく目立つ、白ベースに大きな班が入った被毛は、短く柔らかな直毛の「スムース」、ウェーブがかった硬めの長毛「ラフ」、スムースとラフが混じった「ブロークン」の3種類に分かれます。
ジャックラッセルテリアの性格はとても勇敢で活発。常に堂々としており、何事も一生懸命に取り組みます。テリア種のなかでも特に猟欲と好奇心が強いため、思い込んだら一直線、気になるものにはとことん執着することも珍しくありません。また、ドッグスポーツやキャンプなど、経験のないことにも積極的で、犬と一緒にアクティブな時間を過ごしたい人にはぴったりです。
ジャックラッセルテリアは明るい性格なので誰にでも愛想よく振る舞いますが、典型的なワンマンズ・ドッグで指示を聞くのは飼い主だけ。飼い主以外の命令には従わないことも少なくありません。賢い分だけ飼い主のリーダーシップ不足を敏感に察知し、「自分のほうが偉い」と感じた場合は、指示されたことを無視するケースもあるでしょう。
また、ジャックラッセルテリアは活動量がとても多く、大型犬並みの運動量が必要で散歩は1日1時間程度、若く体力があるうちは2時間近く歩いて元気がありあまっていることも。運動量が足りないと肥満や病気になりやすくなるほか、吠え癖や破壊などの問題行動にもつながるため、毎日積極的に運動させましょう。
このような理由から、ジャックラッセルテリアは決して初心者向きではありません。上手に接すればとても魅力的ではありますが、これまで犬と暮らした経験がない、メリハリを持って接するのが苦手、仕事で長時間家を空けがちという人は、慎重に検討しましょう。犬種の特性をよく理解した上で迎えることが、お互いの幸せにつながります。
「アニコム 家庭どうぶつ白書2023」によると、ジャックラッセルテリアの平均寿命は14.5歳と比較的長寿です。一般的に純血種の犬は犬種ごとにかかりやすい病気がありますが、ジャックラッセルテリアの場合、命にかかわる遺伝性疾患がほとんどありません。高齢になっても足腰がしっかりしていて、寝たきりで歩けなくなるなどの心配が少ないのもジャックラッセルテリアの大きな特長といえるでしょう。
また、体つきが筋肉質でシングルコートながら寒さに強いのも長生きの理由かもしれません。さらには短毛で暑さに比較的強い点もジャックラッセルテリアが「病気に強い小型犬」といわれるゆえんでしょう。生活環境をしっかり整えてあげる必要はありますが、環境適応能力が高い分、体調不良のリスクが少ないのは大きな魅力です。
ジャックラッセルテリアを長生きさせるためには日頃の健康管理が大切です。良質な食材を使った栄養バランスの良いものを食べさせて毎日適度に運動させましょう。犬の免疫力はストレスの少ない環境でのびのび生活させることによって高まります。
また、もし体調を崩してもなるべく早い段階で異変に気付けるよう、年に1~2回は動物病院で健康診断を受けること。人と同じく、犬の病気も早期発見・早期治療が重要です。
<参考URL>
https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202312.pdf
ジャックラッセルテリアは小型犬のなかでも丈夫な体を持っていますが、活発ゆえに注意が必要なトラブルもあります。代表的なものとしては膝蓋骨脱臼(パテラ)や骨折、関節炎などが挙げられます。
特にリスクが高いのは膝の骨が何らかの原因でずれてしまう膝蓋骨脱臼(パテラ)で、脚の違和感や強い痛みなどが原因で歩行が難しくなったり、重症化すると外科手術が必要になったりすることもあります。先天性の場合は小さいうちに発症するケースも珍しくなく、放っておくと修復不可能な状態まで進行してしまうこともあるので注意が必要です。
ジャックラッセルテリアは骨格こそがっしりしていますが、運動量が多いので骨・関節疾患のリスクが高くなりがちです。特にツルツルと滑りやすいフローリングの床は犬にとって歩きにくく、日常的に走り回ると関節に大きな負担がかかります。高い場所からのジャンプも着地した時の瞬間的な衝撃が大きく、後天的な膝蓋骨脱臼の要因になりかねません。
思わぬ怪我を防ぐためには、踏ん張らなくても歩けるよう、爪や足裏の毛はこまめに切る、高所からのジャンプや垂直飛びは止めさせるなど、脚に配慮した対応を心がけることが重要です。また、床にカーペットを敷いたり、滑りにくいフローリングに変えたりすることも、犬が過ごしやすい環境作りにつながります。
■併せて読みたい
・パテラとは?膝蓋骨脱臼に注意!愛犬の寿命を延ばす、フローリングを選ぼう
・ペットと床材の相性は?小型犬に木のフローリングがNGって本当?
ジャックラッセルテリアはとても活動的で、大型犬並みの体力を持っています。明るい性格でどんな相手・環境にも物怖じしないことから、一緒に暮らしていて楽しい犬種といえるでしょう。寿命も長めですが膝蓋骨脱臼(パテラ)などの罹患リスクが比較的高いので、足腰に負担がかかっていないかどうか日頃からよく観察してあげましょう。
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https://www.woodtec.co.jp/products/lineup/flooring/fordog/voice/voice15/
石川 美代子
犬の管理栄養士、動物ケアスタッフ、動物医療技術師、犬の美容師(トリマー)。卒業後は動物看護師として動物病院に勤務し看護業務に従事。現在はwebライターとして主にペット関連記事の執筆、ペット用品・記事の監修などを行う。