COLUMN #47
動物医療技術師 石川 美代子
カニンヘンダックスフンドはダックスフンドのなかで最も小さいダックスフンドです。日本では長い間ミニチュアダックスフンドが人気でしたが、近年は「小さくて飼いやすい」「子犬のような顔つきがかわいい」とカニンヘンダックスフンドにも注目が集まっています。この記事では、カニンヘンダックスのルーツや名前の由来、平均寿命や特に注意したい病気について解説します。
カニンヘンダックスフンドは、うさぎ狩り専門のダックスフンドとして、ヨーロッパを中心に活躍している狩猟犬です。19世紀頃に作出され、ドイツ語で「うさぎ」を意味するカニンヘン(Kaninchen)と「アナグマ」を指すダックスを組み合わせて名づけられました。
カニンヘンダックスフンドの大きさは、体重3~3.5kg(胸囲30cm以下)が理想とされ、体が小さいことから、小さな動物の巣穴にも難なく入っていくことができます。ミニチュアダックスフンドやスタンダードダックスフンドが諦めるしかなかった場所でも、カニンヘンダックスフンドなら問題なく狩りが可能。ヨーロッパでは別名「ラビット・ハウンド」と呼ばれ、現在も優れた猟犬として活躍しています。
ダックスフンドのルーツは中世の時代、ヨーロッパに存在した猟犬「ジュラハウンド」や中型の「ピンシェル」といわれています。これらの犬は嗅覚が優れていて、狩猟犬らしくスタミナ旺盛なのが特徴でした。今や人気犬種ランキングの常連でもあるダックスフンドですが、犬種として確立されるまでに数百年の歳月がかかっていると思うと感慨深いものがあります。
■併せて読みたい
・ミニチュアダックスとカニンヘンの違い ダックスフンドの種類とは
「アニコム 家庭どうぶつ白書2023」によると、カニンヘンダックスフンドの平均寿命は15歳です。小型犬は中型犬、大型犬に比べて比較的長寿の傾向ですが、そのなかでもダックスフンドは特に長生きな犬種として知られています。個体差はありますが、ミニチュアダックスフンドだけでなく、カニンヘンダックスフンドも平均寿命が長く、15歳を超えて元気な犬も珍しくありません。
純血種の犬は一般的に限られた地域の中で同じ品種同士の繁殖を繰り返すため、変異した遺伝子が固定化されてしまい、犬種特異性の疾患を発症しやすくなります。遺伝性疾患のなかには命にかかわるものもありますが、ダックスフンドは生命に影響を及ぼす遺伝性疾患が少なく、心臓や腎臓などの臓器も比較的丈夫です。その特徴的な体型ゆえ関節疾患には注意が必要ですが、命にかかわる病気にかかりにくい点は、ミニチュアダックスフンドが長生きしやすい大きな要因のひとつといえるでしょう。
ただし、ダックスフンドは歯周病や口腔内腫瘍になりやすいため、毎日のデンタルケアが重要です。犬用の歯ブラシや歯みがきシートを使って歯垢を取り除き、常に衛生的な口内環境を維持するようにしましょう。もし、すでに歯石がついていたり、口臭が気になったりする場合は、早めに動物病院で獣医師に相談するのがおすすめです。
犬の寿命を延ばすには定期的な健康診断と日々の健康管理が欠かせません。1日1回、ブラッシングなどのお手入れをするついでに体を確認し、いつもと変わったところがないかチェックしてあげましょう。
カニンヘンダックスは「軟骨異栄養犬種(なんこついえいようけんしゅ)」という軟骨の変性を若くして起こしやすい犬です。そのため、背骨の間でクッションの役割を果たしている椎間板が変性し、ヘルニアを発症しやすいという特徴を持っています。
椎間板ヘルニアの症状は度合いにより異なりますが、重い場合は痛みやふらつきで歩けなくなったり、排尿障害が出たりと日常生活に大きな支障を来します。特にダックスフンドは突然症状が悪化することも珍しくなく、回復が難しい状態になるまで急激に進行してしまうケースも報告されています。
遺伝素因による椎間板ヘルニアの場合、発症を確実に予防する方法は残念ながらありません。しかし、子犬の頃からバランスの良い食事をして、適度な運動で背骨周りの筋肉を鍛えておくことで、関節に負担がかかる状況を避けることは可能です。
特に滑りやすい床は足腰の健康に大きく影響するので、フローリングの滑り対策は必ず行ってください。日常の動作では階段の上り下り、ソファーからの飛び降りなどの回数を極力減らすこと。段差のある場所にはスロープを設置したり、抱いて上げ下ろしたりするなどの配慮が必要です。また、急激なダッシュやストップの運動はダックスに不向きなので、アジリティ(犬の障害物競走)などは避けたほうが良いでしょう。
■併せて読みたい
・パテラとは?膝蓋骨脱臼に注意!愛犬の寿命を延ばす、フローリングを選ぼう
・コーギーやミニチュアダックスなど、人気の短足犬に脱臼が多い理由
ミニチュアダックスフンドをそのまま小さくしたようなカニンヘンダックスフンド。本場ドイツではうさぎ狩り専門の猟犬として活躍しており、日本でも家庭犬として年々人気が高まっています。平均寿命も長いので、愛犬に少しでも長生きしてほしいと願っているオーナー様にとっては、とても魅力的な犬種といえるでしょう。
カニンヘンダックスフンドの足腰を気遣うなら「Live Natural for Dog」がおすすめです。「Live Natural for Dog」は室内で暮らす小型犬の脚の健康に配慮した床材で、滑りにくさと天然木の美しさを両立しています。耐久性にも優れているため、長寿のダックスフンドと一緒に快適に暮らすことができます。愛犬にやさしい床材をお探しの方は、ぜひ「Live Natural for Dog」の導入をご検討ください。
「Live Natural for Dog」のフローリングをご採用のお客様から可愛い「カニンヘンダックスフンド」の動画を投稿いただきました。
https://www.woodtec.co.jp/products/lineup/flooring/fordog/voice/voice14/
https://www.woodtec.co.jp/products/lineup/flooring/fordog/voice/voice26/
石川 美代子
犬の管理栄養士、動物ケアスタッフ、動物医療技術師、犬の美容師(トリマー)。卒業後は動物看護師として動物病院に勤務し看護業務に従事。現在はwebライターとして主にペット関連記事の執筆、ペット用品・記事の監修などを行う。