綿菓子のようなフォルムがかわいいポメラニアン。小柄な体格で飼いやすいと人気がありますが、家族として迎えるなら、性格や寿命、飼いやすさやかかりやすい病気など、いろいろと知っておきたいことがたくさんありますよね。この記事では、ポメラニアンと暮らすうえで知っておくべき犬種の特徴や飼い方、思わぬ怪我を防ぐための対策について解説します。

ポメラニアンは、ジャーマンスピッツやサモエドを祖先に持つ小型犬です。体高は18～20cm程度、体重は2kgと小型犬のなかでもかなり体が小さく、限られた住環境でも飼いやすいのが魅力でしょう。改良当時は中型犬サイズでしたが、愛犬家だったイギリスのビクトリア女王によって小型化され、現在の大きさになりました。

毛色は白、黒、クリームをはじめ、JKC非公認のカラーを含めると20種類以上あります。ほとんどのポメラニアンは子犬から成犬になるにつれて毛色が変化し、子犬の時と色がまったく変わらないことは滅多にありません。毛色が変わる明確な理由はまだ分かっていませんが、遺伝的な要因が関係していると考えられています。

その小さい体からは想像できないほど、ポメラニアンは好奇心旺盛で活発な性格をしています。遊び好きで人に対する忠誠心も強く、他の犬とも友好的な関係を築きやすいでしょう。常に楽しいことを探しているようなポジティブな性格は、ポメラニアンの大きな魅力です。

しかし、一方では自己主張や感受性が強い一面もあるため、適切なしつけをしないと「吠える」「噛む」といった問題行動が現れます。うるさいからといって頭ごなしに叱ったり、大きな音を立てたりするのはかえって良くありません。信頼関係をしっかり築き、愛犬にとって頼れる主人になることが大切です。

なお、ポメラニアンは抜け毛が多い犬で、特に春と秋は大量の毛が抜けます。毛玉ができやすい季節でもあるため、この時期は念入りにブラッシングしましょう。足裏やお尻周りの毛は月に1回程度を目安にカットしておくと、日々のお手入れが楽になりますよ。

＜参考URL＞
https://www.min-inuzukan.com/pomeranian.html

アニコム損保の「家庭どうぶつ白書2023」によると、ポメラニアンの平均寿命は13.8歳です。これは犬全体の平均寿命とほとんど変わらない数字で、小型犬のなかでも平均的な長さといえます。獣医療の発達や飼育環境の質が高まるにつれて犬の寿命は年々延びているので、ポメラニアンの健康寿命は今後もさらに延びることが予想されるでしょう。

ポメラニアンが注意したい病気としては、皮膚や呼吸器の疾患、骨折、膝蓋骨脱臼（パテラ）などが挙げられます。特に膝蓋骨脱臼はポメラニアンのような小型犬に多い疾患で、重症化すると歩行が困難になったり、手術が必要になったりすることも珍しくありません。もともとポメラニアンは遺伝的に関節疾患を起こしやすい犬種でもあるため、様子がおかしいと感じたらすぐに動物病院を受診し、早期発見・早期治療に努めることが大切です。

また、小型犬に多いトラブルとしては「歯周病」にも注意が必要です。小型犬は口が小さく歯が密集しているため、歯垢が溜まりやすくなる傾向があります。調査によると、3歳以上の犬の8割近くが歯周病予備軍ともいわれており、多くの犬が口腔内のトラブルを抱えています。きれいな歯を維持するためにも、子犬の頃からデンタルケアの習慣をつけておきましょう。

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・パテラとは？膝蓋骨脱臼に注意！愛犬の寿命を延ばす、フローリングを選ぼう
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＜参考URL＞
https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202312_2_4.pdf

遺伝的に関節疾患を起こしやすく、骨格も華奢なポメラニアン。室内でも活発に動き回るため、日常生活で怪我をしてしまうリスクも低くありません。愛犬が思いがけず怪我をしてしまわないよう、室内の安全対策はしっかり行っておきましょう。

具体的な環境整備としては、段差をできる限りなくす、滑りにくいよう配慮した素材の床材に変える、足裏の毛は短くカットするなどがあります。興奮しているときによく見られる垂直方向へのジャンプも足腰に負担がかかるため、なるべくさせないよう注意してください。

また、適正体重を超えないよう、食事量もしっかり管理しましょう。すでに肥満ぎみの場合は、ダイエットフードに切り替えるなど、減量に取り組むことも大切です。欲しがるからとおやつばかり与えていると太りやすいので、あげ過ぎには十分注意しましょう。

ぬいぐるみのような見た目のポメラニアンは、好奇心旺盛で活発な性格の犬種です。成長に伴って毛色が変わるなど、ライフステージで印象が変わるのも、この犬種の大きな魅力といえるでしょう。足腰の負担には十分注意して、毎日を楽しく過ごしてくださいね。

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■併せて読みたい
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・トイプードルなど犬にとってジャンプは危険？犬の脱臼を引き起こすフローリングとは！

＜参考URL＞
https://www.nihonpet.co.jp/dog/health/dog-patera.html

 
「Live Natural for Dog」のフローリングをご採用のお客様から可愛い「ポメラニアン」の動画を投稿いただきました。
https://www.woodtec.co.jp/products/lineup/flooring/fordog/voice/voice5/

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石川 美代子

犬の管理栄養士、動物ケアスタッフ、動物医療技術師、犬の美容師（トリマー）。卒業後は動物看護師として動物病院に勤務し看護業務に従事。現在はwebライターとして主にペット関連記事の執筆、ペット用品・記事の監修などを行う。