COLUMN #39
動物医療技術師 石川 美代子
よく「フローリングは犬に良くない」と聞いたことはないでしょうか。その見た目の良さや扱いやすさからさまざまな住宅に採用されているフローリングですが、ペットのいる家庭で床材として使う時は注意すべき点もあります。
この記事ではペットにおすすめの床材とその種類、さらには注意したい床材やペットに木の床材がNGといわれる理由とともに、自然派の愛犬家におすすめできる木のフローリングがあることも紹介します。
ペットの健康が気になる方や、おしゃれな床材の使用を諦めたくない方は、ぜひチェックしてみてください。
ペットの足腰にかかる負担を考えた場合、クッション材やコルク材、毛足の短いカーペットなど床材が挙げられます。これらの床材はペットが歩く際に滑りにくく、足裏の毛が伸びていても安心です。ただ、意匠性や耐久性ではある程度の妥協が必要となります。
また、ペットと暮らしていると、食べこぼしや粗相などで床が汚れやすく、掃除の頻度も高くなりがちです。そんな時、お手入れがしやすい床材なら、常に清潔な状態を保ちやすくなるでしょう。
近年はペットも室内飼いが主流になり、散歩以外は室内で過ごす犬がほとんどです。こうした傾向を受け、ペットはもちろん、共に暮らす家族の健康を第一に考えるのなら、床材にもできるだけ配慮をしたいところです。犬と人の両方が快適に暮らせるように、滑りにくく犬の足腰に優しいことに加え、お掃除やお手入れしやすい床材を選ぶ必要があります。
日本で定番の床材といえばフローリング。シンプルで木の温かみも感じられるフローリングは、居心地の良い空間作りに欠かせません。クッションフロアやコルクなど、他の床材に比べて強度が高く、掃除機をかけるだけでチリやほこりを除去できるのも、フローリングの持つ大きな魅力のひとつ。抜け毛が多い犬種は毎日の床掃除も大変ですが、フローリングなら最低限の手間で清潔感を維持できます。
ほかにも意匠性が高いなど、人間にとって何かとメリットが多いフローリングですが、ペットとの暮らしにおいては注意すべき点もあります。一般的なフローリングは印刷シート仕上げやウレタン樹脂塗装仕上げなので、ペットが歩く際に滑りやすいという難点があります。
では、オイル仕上げの無垢材のフローリングなら良いか?というと、そうではありません。オイル仕上げの無垢の床材はおしゃれで自然派の方にも人気がありますが、表面に塗膜を形成しないために傷がつきやすく、衝撃に弱いという欠点があります。水や油でシミが出来るなど汚れやすいのも気になります。
滑りやすい床は、骨格が華奢で関節が弱い小型犬にとって注意が必要です。また長毛の犬は足裏の毛が肉球にかかることで足元が滑ることもあります。ふんばった姿勢で歩くと足腰に負担がかかり、椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼(パテラ)といった関節疾患の発症リスクもあります。
それでは、木のフローリングで滑りにくい床材はないのでしょうか?
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実は、木のフローリングで意匠性もよく、小型犬との生活を想定して作られたフローリングも存在します。
このようなフローリングの多くは、表面を凹凸化するなどの加工が施されていて、犬が歩行する時も滑りにくくなっています。しかしその反面、凹凸化は天然木のなめらかな質感を損なってしまうのが難点です。
その点を解決したのが、当社開発のフローリング「Live Natural for Dog」です。塗料メーカーと共同開発した強靭な樹脂による特殊塗装で、肉球がグリップしやすく滑りにくい、小型犬に優しい床材です。
しかも、滑りにくいフローリングのほとんどが印刷シート仕上げであるのに対し、「Live Natural for Dog」は天然木仕上げで意匠性が高く、自然派の方でもご満足いただける天然木ならではの温かみが特長です。愛犬がストレスなく歩き回れる床材で、天然木の質感も持ったフローリングを取り入れたいというオーナー様は、ぜひ導入をご検討ください。
<参考URL>
https://www.woodtec.co.jp/products/lineup/flooring/reform/column/pid543/
大切な家族であるペットが毎日快適に暮らすためには、できるだけ足腰に負担がかからない床材を選びたいものです。滑りにくさに配慮したフローリングならペットの足腰にも優しく、安心して過ごすことができます。
一般的なフローリングはペットにとって滑りやすく不安定な床材のため、転倒や関節疾患には十分に注意する必要があります。当社の「Live Natural for Dog」をご利用のお客様の声の中にも、以前は木のフローリングの上に毛足の短いカーペットやラグを敷いてあげて対応されている方も多かったようです。
今では「Live Natural for Dog」を使うことによって、足腰にも優しい滑りにくいフローリングで愛犬も安心。カーペットやラグも敷くことなく見た目もスッキリと、天然木の意匠性を存分に楽しむことができます。
皆さんも愛するペットとの暮らしをより快適なものにするため、人と犬の両方に最適な床材を取り入れてくださいね。
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石川 美代子
犬の管理栄養士、動物ケアスタッフ、動物医療技術師、犬の美容師(トリマー)。卒業後は動物看護師として動物病院に勤務し看護業務に従事。現在はwebライターとして主にペット関連記事の執筆、ペット用品・記事の監修などを行う。