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COLUMN #34

雑種犬というなかれ!雑種犬の寿命は短い?映画やドラマでも活躍

動物医療技術師 石川 美代子

犬

雑種犬というと、どんなイメージが思い浮かぶでしょうか。「血統書がない犬」「雑種=野良犬」など、なんとなくネガティブなイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし、雑種犬は多くの魅力を持った素晴らしい犬であり、純血種とは違った特徴を持つ唯一無二の存在です。

この記事では、そんな雑種犬の特徴や登場する映画・ドラマなどをご紹介します。ミックス犬との違いや雑種犬を迎える際の注意点についても解説するので、雑種犬に興味がある、雑種犬についてよく知らないという方は、ぜひ参考にしてくださいね。

「雑種犬は丈夫」は本当?寿命が長いといわれる理由

雑種犬

雑種犬とは、その名の通り「さまざまな犬の血が混ざって生まれた犬」のことです。親犬の犬種が分からなかったり、2種以上の犬種が自然交配して生まれたりした犬は、広く雑種犬と呼ばれています。犬の外飼いが主流だった時代は、飼い主が気づかないうちに犬同士が交配、妊娠することも少なくなく、雑種犬が多く誕生していました。

そんな雑種犬の大きな特徴として、犬種特有の疾患にかかりにくい点が挙げられます。これはさまざまな犬種が混じりあって生まれることで遺伝子の多様性が増し、好ましくない因子を受け継ぐ可能性が下がるためです。遺伝的欠点が補われた犬は特定の病気にかかりにくくなり、そのぶん寿命が延びる傾向があるといわれています。

そもそも雑種犬は、自然界の淘汰を経て生き残った個体が繁殖してきた歴史があります。そのため「生存において有利な遺伝子を持つ犬=体が強い犬」同士を先祖に持つ犬も多いと考えられているのです。雑種犬が必ずしも長寿というわけではありませんが、強い遺伝子を持っているということは、それだけ大きな病気に罹りづらいということ。寒冷地帯で生まれた雑種犬は寒さに強く、温暖な地域で生まれた雑種犬は暑さに強いなど、環境への適応力が高く地域の気候になじみやすいのも、雑種犬ならではの特徴です。

<参考URL>
https://inuiwaku.net/8686/

映画やドラマでも雑種犬が大活躍!その魅力とは

雑種犬

個性的な魅力を持つ雑種犬は、多くの映画やドラマで活躍しています。作品を盛り上げる重要な役割を担ったり、ほっこり可愛らしい姿で癒してくれたりと、その活躍の幅は人間顔負け。作品の魅力を一段と高めてくれるのが、オンリーワンな見た目を持つ雑種犬なのです。

■雑種犬が登場する主な作品
ベンジー
ペット、ペット2
がんばれ!ブーマー
犬部!

日本国内をはじめ、海外でも雑種犬を起用している映画・ドラマはたくさんあります。雑種犬はさまざまな犬種の血を引いていることから純血種よりも個性が際立って見え、同じ見た目の犬は二匹といません。同じ雑種犬というくくりのなかでも、体の大きさや毛色、性格はそれぞれ異なり、兄弟犬でもまったく同じ特徴を持つケースは少ないといえるでしょう。

純血種にはない独自の魅力を持っている雑種犬は見る人を魅了し、作品のオリジナリティを高めてくれる貴重な存在です。周りをよく見て行動する冷静さや賢さ、そして行儀が良く人懐こい犬が多いことも、雑種犬を起用する作品が多い理由のひとつなのかもしれません。

<参考サイト>
https: //www.butch-japan.jp/archives/pecola/news143

ミックス犬と雑種は違うの?雑種犬を飼うときに気を付けることは?

近年、ペットショップなどでよく見かける「ミックス犬」という言葉。雑種と同じイメージのある単語ですが、雑種犬とミックス犬には明確な違いがあります。

ミックス犬とは、異なる純血種同士の掛け合わせによって生まれた犬で、基本的には2つの犬種の血を引いた一代目の犬を指します。一方、雑種犬は3つ以上の犬種の血が混ざっていることも珍しくなく、両親は必ずしも純血種ではありません。

また、雑種犬は意図せず誕生することが多いのに対し、ほとんどのミックス犬はブリーダーなどが純血種同士を交配させて生まれてきます。ミックス犬と雑種犬には「親犬の犬種が異なる」という共通点はありますが、親犬の血統書の有無や交配の環境は真逆なのです。

■併せて読みたい
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親犬が分からない雑種犬の場合、子犬と成犬で見た目が大きく変わることも珍しくありません。大きさや性格など、どんな犬に育つのか予測が難しい面もあるため、しつけの方法や飼育グッズは慎重に検討しましょう。また、日本犬の血を引く雑種犬は10~20kg程度の犬が多いため、将来は中型以上の大きさに成長することを想定するとよいでしょう。

個性的な見た目と原産の特徴など、さまざまなよい面を持つ雑種犬。成長の予測が難しいからこそ、「どんな成犬になるのかな」とワクワクしながら育てる楽しみがあります。

なお、雑種犬を迎える主な方法には「知人に譲ってもらう」「保健所から迎える」「保護団体を通して里親になる」「里親募集サイトを利用する」などの選択肢があります。
保健所や保護団体では定期的に譲渡会を開催し、飼い主のいない犬の引き取り先を募集しています。ぜひ実際に雑種犬たちと接して、その魅力を体感してみてはいかがでしょうか。

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石川 美代子

犬の管理栄養士、動物ケアスタッフ、動物医療技術師、犬の美容師(トリマー)。卒業後は動物看護師として動物病院に勤務し看護業務に従事。現在はwebライターとして主にペット関連記事の執筆、ペット用品・記事の監修などを行う。

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