COLUMN #18
動物医療技術師 石川 美代子
嬉しい時や興奮している時など、犬は感情表現のひとつとしてジャンプします。特に小型犬はジャンプ癖が付きやすいといわれていますが、ジャンプを繰り返すと思わぬケガにつながる可能性もあるため注意が必要です。
この記事では、犬のジャンプに潜む危険性とフローリングとの関係、ケガのリスクを減らすために実践したい環境整備について解説します。犬と暮らしている人はもちろん、これから犬を迎える人やいつかは犬を迎えたいと思っている人もチェックしてくださいね。
犬は体の大きさによって「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに大別されます。このうち成犬時の体重が10kg未満の「小型犬」は、日本の住宅事情や扱いやすさなどから人気があり、人気犬種の上位に軒並みランクインしています。
そんな小型犬には明るく活発な性格が多く、小さくても元気なのが特徴です。必要な運動量は犬種ごとに異なりますが、中には中型犬や大型犬並みに体力がある犬種も存在します。小柄な体を活かして俊敏に走り回ったり、ぴょんぴょん飛び跳ねるように歩いたりする姿はなんとも可愛らしく、思わず笑顔になってしまいますよね。
特にジャックラッセルテリアやミニチュア・ピンシャー、トイプードルといった犬種はジャンプ力があるうえに運動神経も良く、若い頃はジャンプの頻度も高めです。好奇心旺盛で遊び好きな性格ゆえ、部屋中を飛び回るように走ることも多いでしょう。
<参考URL>
https://www.butch-japan.jp/archives/pecola/propermomentum-mediumdog
愛犬が元気に駆け回る姿は見ていてとても微笑ましいものですが、あまりにジャンプさせすぎることは良くありません。犬の骨格は四足歩行に適した構造で、後ろ足だけで立ったり過度にジャンプしたりすると、足腰や背骨に負担がかかります。特に垂直方向へのジャンプはリスクが高く、犬の健康を考えるのならなるべくさせないようにすべきです。
また、骨を支えている筋肉の量が少なく、体と頭の大きさがアンバランスなのも、小型犬が骨関節のトラブルを起こしやすい理由のひとつです。垂直方向へのジャンプをはじめ、高いところから飛び降りたり着地を失敗したりすることで足腰に負担がかかり、膝蓋骨脱臼や椎間板ヘルニアなどを引き起こすケースも珍しくありません。
犬種にもよりますが、小型犬の骨は1本の太さが約2~5mmほどと鉛筆よりも細く、場合によっては小さな衝撃でも折れてしまう可能性があります。愛犬がジャンプを繰り返す時はフセやマテなど、コマンドを出して落ち着かせることを心がけましょう。
<参考URL>
https://www.ana.co.jp/travelandlife/article/001656/
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フローリングは多くの家庭が取り入れている素材です。畳やカーペットに比べて掃除しやすいため、犬が吐いたり粗相をしたりしても清潔を保ちやすいでしょう。ほこりや汚れが繊維に入り込んでしまうこともなく、お手入れがしやすい点も嬉しいポイントです。
一方で、一般的なフローリングはツルツル滑りやすく、犬が歩いたり走ったりする際に足場が安定しないという欠点もあります。スケートリンクで転ばないように踏ん張っている状態をイメージしてもらうと分かりやすいですね。常に四肢を踏ん張りながら歩くことで足腰に余計な負担がかかり、関節炎や膝蓋骨脱臼のリスクも高まります。
また、足裏の毛が伸びて肉球を覆い隠していると、足腰の負担はさらに大きくなります。本来、肉球はブレーキや方向転換をする時のグリップと同じ役割を持っていますが、足裏の毛が伸びるとグリップが効かなくなり、バナナの皮を踏んだ時のように滑りやすくなります。その結果、骨折やねんざ、脱臼などを引き起こしやすくなるといえるでしょう。
愛犬の健康を考えるなら、関節や足腰への負担は最小限に抑えることが大切です。愛犬が過ごす場所には滑り止めのマットやラグなどを敷き、ストレスなく歩けるようにしてあげること。また、フローリング自体を滑りにくい素材に変えるのも効果的ですよ。
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<参考URL>
https://www.earth-pet.co.jp/advice/advice210301
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犬は人間のように言葉を話せないため、体や行動で感情を表現します。嬉しい時や気分が高まっている時、ピョンピョン跳ねるように歩いたり、まっすぐ上にジャンプしたりすることも多いでしょう。
とはいえ、ジャンプは犬の足腰にとって大きな負担となります。特にフローリングはツルツルと滑りやすく、膝蓋骨脱臼や椎間板ヘルニアのリスクが高まります。愛犬がいつまでも元気で暮らせるよう、ジャンプはなるべくさせないようにしてくださいね。
美しい天然木フローリング「Live Natural for Dog」は、木ならではぬくもりと安心感が魅力の床材です。大切な家族の足腰に配慮し、室内で暮らす犬に優しい滑りにくさを実現しました。滑りにくい床は無理な力やねじれがかかりにくいため、愛犬も気持ち良く過ごせます。今ある床の上に貼ることが出来るリフォーム用もあり、愛犬と暮らしているオーナー様は、ぜひ導入をご検討ください。
「Live Natural for Dog」のフローリングをご採用のお客様から可愛い「トイプードル」の動画を投稿いただきました。
石川 美代子
犬の管理栄養士、動物ケアスタッフ、動物医療技術師、犬の美容師(トリマー)。卒業後は動物看護師として動物病院に勤務し看護業務に従事。現在はwebライターとして主にペット関連記事の執筆、ペット用品・記事の監修などを行う。