短い脚で歩いたり走ったりする姿が愛らしい短足犬は、ずんぐりした体型も魅力的ですが、その体形的な特徴ゆえの脱臼には注意が必要です。

この記事では、短足犬の代表種であるコーギーとミニチュアダックスの特徴と、人気の短足犬に脱臼が多い理由について解説します。短足犬と暮らしている方はもちろん、これから短足犬を家族として迎えたいと思っている方はぜひ最後まで読んでみてください。

コーギーは筋肉質な中型犬で、牛を追う牧畜犬として改良されました。性格は活動的で遊び好き、飼い主の様子をよく見て行動する使役犬らしい特徴を持っています。

しかしその反面、警戒心の強さから知らない人や犬に吠えたり、チャイムや掃除機の音に対して過敏に反応したりする犬も少なくありません。困った癖がついてしまわないようにするためには、子犬の頃からしっかりしつけをすることが大切です。

また、コーギーはダブルコートと呼ばれる二層構造の毛を持っており、日常的に多くの毛が抜けます。特に春と秋の換毛期には抜け毛の量も多くなるため、こまめなブラッシングやシャンプーを心がけましょう。

食欲旺盛で肥満になりやすい分、食事管理の徹底や、1日2回、各1時間ずつの散歩も欠かせません。また、暑さに弱いので夏場は室温管理にも気をつけましょう。

なお、コーギーには尻尾がほとんどない「ブローク種」と、大きな尻尾を持つ「カーディガン種」の2種類があります。どちらも体形は胴長短足ですが、体格や毛色などが異なるため、別々の犬種として認定している国も少なくありません。

ミニチュアダックスは、垂れた耳と長いマズル（鼻先から口にかけての部分）が特徴的な小型犬です。原産国はドイツで、優れた嗅覚を使ってアナグマを探索し、巣穴の中に入って追い詰める猟犬として改良されました。性格は陽気で好奇心が強く、飼い主が大好き。

また、一方では自立心が強いため、わがままな性格にならないよう、けじめを持って接しましょう。警戒吠えや知らない人・犬に対する攻撃性をつけないためには、様々な経験を通して社会性をしっかり育むことが大切です。

ミニチュアダックスの毛質は「スムース」「ワイヤー」「ロング」の3種類があり、いずれも抜け毛の多いダブルコートです。ロングとワイヤーは週に2～3回ブラッシングをして、抜け毛やもつれ、汚れなどを取り除いてあげましょう。垂れ耳ゆえ耳内に湿気がこもりやすいため、こまめに耳掃除もしてあげてくださいね。

また、ミニチュアダックスは小型犬の中でも運動量の多い犬種です。食欲旺盛で肥満にもなりやすいため、散歩は1日2回、各30分～1時間を目安に行うこと。おやつのあげすぎにも注意して、理想的な体重を超えないよう心がけましょう。

ちなみに、ミニチュアダックスは長寿な犬種としても知られています。犬の寿命は体が小さいほど長い傾向がありますが、中でもミニチュアダックスは長生きで、21歳まで生きたというギネス記録もあるほど。より健康に天寿を全うできるよう、日々の食事やお手入れには十分に気を遣ってあげてくださいね。

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コーギーやミニチュアダックスのような短足犬は、膝が脱臼する「膝蓋骨脱臼」を起こしやすいといわれています。後肢の膝関節のお皿が正常な位置から内側に外れるのが膝蓋骨脱臼です。軽度な場合は違和感がある程度ですが、重症になると痛みで歩けなくなったり、骨が変形したりしてしまうこともあります。

■膝蓋骨脱臼とは

短足の犬が膝蓋骨脱臼を起こしやすいのは、その体つきが原因です。短足犬は短い足で体を支えていることから、一般的な体型の犬より骨や関節に負担がかかります。

加えてフローリングなど、滑る床の上で生活している犬は、常に踏ん張った状態で立つ必要があり、足腰にかかる負担も大きいといえるでしょう。ジャンプをしたり転倒したりした場合は、さらに強い負荷がかかるため、結果として膝蓋骨脱臼を起こしやすくなります。

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膝蓋骨脱臼はどんな犬にも見られる疾患ですが、小型犬には特に多く発症します。コーギーやミニチュアダックスのように活動的な犬種の場合、運動や急な動きによる膝蓋骨脱臼のリスクが高いため要注意です。

膝蓋骨脱臼を繰り返すと大腿骨の軟骨が削れてしまい、完治が難しくなります。愛犬が過ごす部屋にはマットやカーペットを敷いたり、フローリング自体を滑りにくいものに変えたりして、足腰の負担を和らげることが大切です。

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＜参考URL＞
https://pet.doctors-interview.jp/treatment/361

他の犬種にはない魅力を持つ短足犬ですが、体の構造上どうしても足腰にかかる負担は大きくなります。膝のお皿が外れる「膝蓋骨脱臼」のリスクを小さくするには、骨や関節の負担を減らすことが大切です。

ジャンプや高所への上り下りはなるべくさせず、肥満にならないよう食事管理は徹底すること。フローリングは足腰にかかる負担が大きいため、「マットを敷く」「ペットにやさしい床材に変更する」など、滑り止めの対策も検討すると良いでしょう。

フローリング自体に滑りにくさをプラスしたものもあり、特に美しい天然木を採用した商品は、木のぬくもりと上品さが愛犬との暮らしに安心感と満足感を与えてくれます。小型犬や足腰に不安の残る短足犬のオーナー様は、ぜひ導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

「Live Natural for Dog」のフローリングをご採用のお客様から可愛い「ミニチュアダックス」の動画を投稿いただきました。

犬にやさしい、滑りにくさをプラスした天然木フローリング “Live Natural for Dog”

石川 美代子

犬の管理栄養士、動物ケアスタッフ、動物医療技術師、犬の美容師（トリマー）。卒業後は動物看護師として動物病院に勤務し看護業務に従事。現在はwebライターとして主にペット関連記事の執筆、ペット用品・記事の監修などを行う。