次に訪問したコペンハーゲン在住の建築家夫婦のお宅も、購入したアパートメントをDIYでリノベーションしていました。床はリノリウムを剥がして出てきたパイン材を再利用しており、ジョイントの間をパテ埋めして、こちらも白くナチュラルに仕上げています。モーエンセンのチェアやデンマークのヴィンテージ家具を愛用されており、こちらのお宅でもテーブルと窓際にはキャンドルが灯っていました。多くの人が初任給でまず椅子を買うとも言われ、良い家具を人生の財産と考えるデンマーク。実際に、どちらのお宅のインテリアも住まい手の個性と強いこだわりが感じられる素敵な空間で、ヒュッゲ(心地よさ)に忠実な暮らしぶりが窺えました。一軒家、アパートなど居住形態に関わらず、住まいを自ら積極的に、より居心地のよい空間へと作りこみ、そこで家族と過ごし、友人を招いてもてなす。そのように日々の住まいでの時間を愉しみ、愛しむのがデンマーク流の暮らし方・住まい方です。彼らを訪問し、お話を聞く中で、デンマークの人達にとって自己紹介でもあるインテリアへのこだわりが、住まい手の幸福感に強く繋がっていることを実感しました。ナオミさん(右)とガブリエルさんはコペンハーゲン在住のアメリカ人建築家。デンマークに住み始めてからソックス、スリッパで過ごすようになったそうです。床と幸せの関係cue06
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