LIFULL HOME’S総研では、住まい、住むことについてテーマを決めて調査研究レポートを作ってきました。その中で結局「住む」って何だろう、と考えた時に、住むことは生きることと極めて密接に結びついており、より良い住まいを探すということは、より良い暮らし、生き方を探すことでもあり、それはみんなが幸せに向かってちょっとずつ動いている、と考えて良いのではないか、というところにたどり着きました。そこから「住宅幸福論」をテーマに調査研究をスタートしました。日本とデンマークを対比する中でわかったことは、両国とも住生活の満足度の高さと人生の幸福度は正の相関関係にあり、比較すれば日本人のほうが、相関度が高いということです。デンマーク人は、家を交流の場と考え、インテリアによって自分を表現し、人を招いて住生活の幸福感を得ており、また、ヒュッゲ(居心地の良さ)を重視し、住生活の改善に熱心です。それに対して、日本人は、家をプライベートな空間と考えるが、実質的には「寝に帰る」場所で、低次の欲求レベルに留まっている。また利便性や治安を重視した新築の家を好みますが、居心地の良さを自ら改善していこうとする意欲が低い。つまり、デンマーク人の住生活における幸住まいのインテリアへの働きかけが人生の幸福度を左右する日本・デンマーク住生活比較調査から「幸福な国の住まい方」をまとめられた島原万丈氏にお話しを伺いましたLIFULL HOME’S 総研所長島原 万丈1989年株式会社リクルート入社。2005年よりリクルート住宅総研。2013年3月リクルートを退社、同年株式会社ネクスト (現・株式会社LIFULL)で HOME’S総研 (現・LIFULL HOME’S総研) 所長に就任。他に一般社団法人リノベーション協議会設立発起人、国交省「中古住宅・リフォームトータルプラン」検討委員など。09
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